Kotlinのバージョンを確認する方法は一つではありません。
どの環境で、どのKotlinを確認したいのかによって、正しい確認箇所が変わります。
特に実務では、
- ローカルにインストールされている Kotlin
- Gradle ビルドで実際に使われている Kotlin
- IDE(IntelliJ IDEA / Android Studio)が認識している Kotlin
これらが食い違っているケースが珍しくありません。
本記事では、「今どのKotlinが使われているのか」を正確に把握できるよう、環境別・目的別に安全な確認方法のみを整理して解説します。
目次
コマンドラインで Kotlin のバージョンを確認する方法(基本)
最も確実で推奨される方法
kotlinc -version
出力例
info: kotlinc-jvm 1.X.Y (JRE 17.0.Z)
確認できる内容
- 1.X.Y
→ Kotlinコンパイラ(kotlinc)のバージョン - kotlinc-jvm
→ JVM向けのKotlinコンパイラ - JRE 17.0.Z
→ コンパイラ実行時に使われているJavaバージョン
注意点
kotlincが見つからない場合
→ Kotlin未インストール、または PATH 未設定- SDKMAN / Homebrew などで複数バージョンを管理している場合
→ 現在アクティブな Kotlin が表示される
✔ バージョン確認用途では、
kotlinc -versionが最も安定しています
Gradle(build.gradle / build.gradle.kts)での Kotlin バージョン確認【最重要】
実務で最も重視すべきポイント
実際にビルドで使用される Kotlin のバージョンは、Gradle 設定が基準です。
IDE やローカルの kotlinc よりも、こちらが優先されます。
build.gradle.kts(Kotlin DSL)の場合
plugins {
kotlin("jvm") version "X.Y.Z"
}
変数管理されているケース
val kotlinVersion: String by extra
plugins {
kotlin("jvm") version kotlinVersion
}
build.gradle(Groovy DSL)の場合
plugins {
id "org.jetbrains.kotlin.jvm" version "X.Y.Z"
}
または
ext.kotlin_version = "X.Y.Z"
Version Catalog(libs.versions.toml)を使っている場合
[versions]
kotlin = "X.Y.Z"
この場合、ここがKotlinバージョンの単一ソースになります。
Gradle コマンドから Kotlin 関連の情報を確認する方法
依存関係全体を確認する
./gradlew dependencies
注意点
- 出力が非常に多くなる
- macOS / Linux 前提(Windowsでは工夫が必要)
Kotlin関連だけを調べたい場合(Unix系)
./gradlew dependencies | grep kotlin
補足
- Windows(PowerShell)の場合は
Select-String - CMD では
findstrを使用
buildEnvironment についての注意
./gradlew buildEnvironment
- Kotlin Gradle Plugin の手がかりになることはある
- ただし buildSrc や一部の依存関係が見えないケースがある
- 万能な確認方法ではないため、補助的に使うのが無難
IntelliJ IDEA での Kotlin バージョン確認
IDE に組み込まれている Kotlin プラグインの確認方法
- File → Settings(macOSは Preferences)
- Plugins
- Kotlin を検索
表示される情報
- Kotlin Plugin Version(例:X.Y.Z)
重要な注意点
IDEのKotlinプラグインのバージョン ≠ ビルドで使われるKotlin
IDE側のKotlinは、
- コード補完
- 構文解析
- インスペクション
などに使われるだけで、ビルド結果には直接影響しません。
Android Studio での Kotlin バージョン確認
Android開発では、Gradle設定とIDE設定が混在しやすいため注意が必要です。
Projectレベルの build.gradle
buildscript {
ext.kotlin_version = "X.Y.Z"
}
Version Catalog 利用時
[versions]
kotlin = "X.Y.Z"
Android Studio の Kotlin プラグイン
- Settings → Plugins → Kotlin
- Android Studio のバージョンと強く連動する
Kotlin スクリプト(.kts)に関する正しい理解
バージョン確認
kotlinc -version
スクリプト実行
kotlinc -script sample.kts
注意点
kotlinコマンドは 実行用ランナー- バージョン確認用途としては
kotlincを使う方が安全 -scriptと-versionを同時に使う書き方は推奨しない
Kotlin バージョンが複数存在する場合の整理
| 対象 | 意味 |
|---|---|
kotlinc -version | ローカルにインストールされたKotlin |
| IDEのKotlin Plugin | 補完・解析用 |
| Gradle設定 | ビルド時に使われるKotlin(最重要) |
| stdlib依存関係 | 実行時にリンクされるKotlin |
実務での鉄則
エラーや挙動がおかしいときは、まず Gradle の Kotlin バージョンを確認する
Kotlin バージョン確認が必要になる代表的な場面
- 新機能(K2、言語仕様追加など)を使いたい
- ライブラリが特定バージョン以上を要求している
- 「Kotlin version mismatch」エラーが出た
- ローカルとCIでビルド結果が異なる
まとめ
- ✔ ローカル環境の確認 →
kotlinc -version - ✔ 実際のビルドを確認 →
build.gradle(.kts)/libs.versions.toml - ✔ IDEの警告や補完がおかしい → Kotlin Plugin 確認
- ✔ Androidプロジェクト → ProjectレベルのGradleを最優先
以上、Kotlinのバージョン確認の方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










