Raspberry PiにVisual Studio Code(VSCode)をインストールすれば、PythonやC/C++、HTML・CSS・JavaScriptなどのプログラミングを、ラズパイ上で行いやすくなります。
Raspberry Pi OSを使用している場合は、APTコマンドから比較的簡単にVSCodeをインストールできます。
基本的な手順は次のとおりです。
sudo apt update
sudo apt install code
インストール後は、次のコマンドでVSCodeを起動できます。
code
ただし、Raspberry Pi OSの種類や使用しているモデルによっては、ラズパイ本体でVSCodeを動かすより、PC側のVSCodeからRemote SSHで接続したほうが快適な場合もあります。
ここでは、Raspberry PiにVSCodeをインストールする方法を詳しく解説します。
Raspberry PiでVSCodeは使える?
Raspberry Pi OSでは、VSCodeを利用できます。
Raspberry Pi OSのAPTリポジトリからVSCodeをインストールできるため、通常は複雑なリポジトリ設定を行う必要はありません。
ただし、Raspberry PiはVSCodeの正式なサポート対象プラットフォームとはされていません。
VSCode自体はRaspberry Pi OS向けに配布されており、一般的なプログラミング用途では利用できますが、使用する拡張機能や環境によっては正常に動作しないケースがあります。
特にARM環境に対応していないネイティブコードを使用する拡張機能には注意が必要です。
Raspberry Pi OSの種類を確認する
VSCodeをインストールする前に、使用しているOSやCPUアーキテクチャを確認しておくとトラブルを避けやすくなります。
Raspberry Pi OSのバージョンを確認する
Raspberry Pi OSの情報は、次のコマンドで確認できます。
cat /etc/os-release
OS名やDebianのバージョンなどが表示されます。
現行世代のRaspberry Pi OSはDebian 13 Trixieをベースとしています。
一方、Legacy版ではDebian 12 BookwormベースのRaspberry Pi OSが提供されている場合もあります。
32bit・64bitを確認する
現在動作しているOS環境が32bitか64bitかを確認したい場合は、次のコマンドを実行します。
uname -m
64bit ARM環境では、一般的に次のように表示されます。
aarch64
32bit ARM環境では、例えば次のように表示されます。
armv7l
なお、uname -mで確認できるのは、現在動作しているOS・カーネル側のアーキテクチャです。
Raspberry Pi本体のCPUそのものが64bit対応かどうかを直接確認するコマンドではありません。
Raspberry PiにVSCodeをインストールする手順
Raspberry Pi OSを使用している場合、VSCodeのインストールは非常にシンプルです。
ターミナルを起動する
まずRaspberry Pi OSのデスクトップからターミナルを起動します。
アプリケーションメニューから「Terminal」を選択するか、タスクバーにあるターミナルアイコンをクリックします。
パッケージ情報を更新する
最初にAPTのパッケージ情報を更新します。
sudo apt update
apt updateは、インストール可能なソフトウェアの一覧を最新の状態にするコマンドです。
OS全体をアップグレードするコマンドではありません。
VSCodeをインストールする
続いて、次のコマンドを実行します。
sudo apt install code
インストール確認が表示された場合は、Yを入力してEnterキーを押します。
確認を省略したい場合は、次のように実行できます。
sudo apt install -y code
正常に処理が完了すれば、VSCodeのインストールは完了です。
参考サイト
【Raspberry Pi】VS Codeのインストール方法と日本語化手順|ラズパイOS 12対応|まきガジェ
VSCodeを起動する
VSCodeをインストールしたら、実際に起動してみましょう。
ターミナルから起動する
ターミナルで次のコマンドを実行します。
code
デスクトップ環境が利用できる状態であれば、VSCodeのウィンドウが表示されます。
アプリケーションメニューから起動する
デスクトップ版のRaspberry Pi OSでは、アプリケーションメニューからVSCodeを起動することもできます。
一般的には「Programming」などのカテゴリー内にVisual Studio Codeが表示されます。
毎回ターミナルからcodeコマンドを入力する必要はありません。
VSCodeが正常にインストールされたか確認する
インストール後は、VSCodeが正常に利用できる状態か確認しておくと安心です。
バージョンを確認する
次のコマンドを実行します。
code --version
VSCodeが正常にインストールされていれば、バージョン番号やアーキテクチャなどの情報が表示されます。
codeコマンドの場所を確認する
codeコマンドがPATH上に存在するか確認したい場合は、次のコマンドを利用できます。
which code
または、
command -v code
を使用できます。
正常にインストールされていれば、
/usr/bin/code
などのパスが表示されます。
VSCodeをアップデートする方法
インストール後も、VSCodeは定期的に更新しておくことをおすすめします。
VSCodeだけを更新する
VSCodeだけを更新したい場合は、次のコマンドを実行します。
sudo apt update
sudo apt upgrade code
新しいバージョンが利用可能な場合は、VSCodeがアップデートされます。
Raspberry Pi OS全体を更新する
OS全体のパッケージを更新する場合は、次のようなコマンドを使用できます。
sudo apt update
sudo apt full-upgrade
この場合、VSCode以外のパッケージも更新対象になります。
VSCodeをアンインストールする方法
VSCodeが不要になった場合は、APTを使って削除できます。
VSCodeを削除する
基本的なアンインストール方法は次のとおりです。
sudo apt remove code
確認なしで削除する場合は、
sudo apt remove -y code
と実行します。
パッケージ管理上の設定ファイルも削除する
パッケージと設定ファイルを削除したい場合は、
sudo apt purge code
を使用できます。
ただし、apt purgeを実行しても、ホームディレクトリに保存されているすべてのVSCodeユーザー設定や拡張機能データまで必ず削除されるとは限りません。
不要になった依存パッケージを整理する場合は、
sudo apt autoremove
を実行できます。
Raspberry Pi OS Liteでは注意が必要
Raspberry Pi OSには、デスクトップ環境を搭載した通常版と、デスクトップ環境を持たないLite版があります。
Lite版には標準でGUIがない
Raspberry Pi OS Liteには、標準でデスクトップ環境がありません。
そのため、通常のGUIアプリとしてVSCodeをそのまま起動する用途には向いていません。
「Raspberry Pi OS LiteにはVSCodeをインストールできない」という意味ではありません。
あくまで、GUI環境が標準で存在しないため、デスクトップアプリとして利用する構成には適していないということです。
Lite版ではRemote SSHが便利
Raspberry Pi OS Liteをサーバー用途やヘッドレス環境で使用している場合は、WindowsやMacなどのPC側にVSCodeをインストールし、Remote SSHでRaspberry Piへ接続する方法が便利です。
構成としては次のようになります。
Windows・Mac・Linux PC
↓
VSCode
↓
Remote SSH
↓
Raspberry Pi
Raspberry Pi側ではプログラムを実行し、コードの編集はPC側のVSCodeで行えるため、ラズパイ本体への負荷も抑えやすくなります。
PCのVSCodeからRaspberry PiへRemote SSH接続する方法
Raspberry Pi Zero 2 Wなど比較的性能が低いモデルや、Raspberry Pi OS Liteを使用している場合は、Remote SSHを利用する方法もおすすめです。
Raspberry PiでSSHを有効にする
まずRaspberry Pi側でSSHを有効にします。
次のコマンドを実行します。
sudo raspi-config
設定画面からSSHを有効にします。
Raspberry PiのIPアドレスを確認する
次のコマンドを実行します。
hostname -I
例えば、
192.168.1.50
のように表示されます。
Raspberry Piのユーザー名を確認する
現在のユーザー名は次のコマンドで確認できます。
whoami
現在のRaspberry Pi OSでは、ユーザー名が必ずpiになっているわけではありません。
セットアップ時に作成したユーザー名を使用します。
PC側のVSCodeにRemote SSHを導入する
WindowsやMacなどのPCでVSCodeを起動し、ExtensionsからRemote SSH関連の拡張機能をインストールします。
その後、次の形式でRaspberry Piへ接続します。
ユーザー名@IPアドレス
例えばユーザー名がtaroで、IPアドレスが192.168.1.50なら、
taro@192.168.1.50
となります。
接続後は、PC上のVSCodeからRaspberry Pi内のファイルを直接編集できます。
ただし、ARM環境に対応していない拡張機能では、Remote SSH環境でも正常に動作しない場合があります。
Raspberry Pi 4や5では本体でVSCodeを利用しやすい
Raspberry Pi 4やRaspberry Pi 5のように比較的性能の高いモデルでは、Raspberry Pi本体でVSCodeを動作させる方法も実用的です。
例えば、
Raspberry Pi 5
+
Raspberry Pi OS 64bit
+
VSCode
+
Python
といった構成で、ラズパイ単体のプログラミング環境を作れます。
ただし、快適さはRaspberry Piのモデルだけで決まるわけではありません。
メモリ容量、microSDカードやSSDの速度、使用する拡張機能、プロジェクトの規模、同時に起動しているアプリなどによっても動作速度は変わります。
VSCodeが重い場合の対処方法
Raspberry PiでVSCodeが重い場合は、いくつかの対策があります。
不要な拡張機能を減らす
VSCodeの拡張機能は便利ですが、数が増えるほどCPUやメモリを消費する場合があります。
使用していない拡張機能は無効化またはアンインストールするとよいでしょう。
不要なアプリを終了する
ブラウザなどを大量に開いていると、メモリ不足によってVSCodeの動作が重くなる場合があります。
不要なアプリを終了してからVSCodeを使用すると改善することがあります。
PC側からRemote SSHを使う
ラズパイ本体でVSCodeを動かす必要がない場合は、PC側のVSCodeからRemote SSHで接続する方法が有効です。
特に大規模なWebプロジェクトや多数のファイルを扱う場合には、こちらのほうが快適になることがあります。
Python開発をする場合の設定
Raspberry PiではPythonを利用するケースが多いため、VSCodeにPython関連の拡張機能を追加すると便利です。
Pythonのバージョンを確認する
次のコマンドでPython 3が利用できるか確認できます。
python3 --version
Pythonファイルを作成する
例えばhello.pyというファイルを作成し、次のコードを入力します。
print("Hello Raspberry Pi!")
ターミナルから次のように実行できます。
python3 hello.py
正常に動作すれば、
Hello Raspberry Pi!
と表示されます。
Pythonパッケージは仮想環境を使うと管理しやすい
最近のDebian系環境では、Pythonパッケージを直接システム環境へインストールするより、仮想環境を利用する方法が推奨されるケースがあります。
例えば、次のように仮想環境を作成できます。
python3 -m venv .venv
VSCodeでは、この仮想環境をPythonインタープリターとして選択できます。
C/C++開発をする場合の設定
Raspberry PiでCやC++を使用する場合は、基本的な開発ツールをインストールしておくと便利です。
build-essentialをインストールする
次のコマンドを実行します。
sudo apt install build-essential
build-essentialには、GCCやG++、makeなどの基本的な開発ツールが含まれます。
インストール後は、
gcc --version
などで確認できます。
なお、build-essentialはVSCode本体のインストールに必須ではありません。
C/C++開発を行う場合に追加で導入するものです。
「Unable to locate package code」と表示される場合
VSCodeのインストール時に、
E: Unable to locate package code
と表示される場合があります。
パッケージ情報を更新する
まず、次のコマンドを実行します。
sudo apt update
その後、もう一度、
sudo apt install code
を実行します。
OSを確認する
それでもインストールできない場合は、
cat /etc/os-release
で使用しているOSを確認してください。
Raspberry Pi OSではなく、Ubuntuやその他のLinuxディストリビューションを使用している場合は、VSCodeのインストール手順が異なることがあります。
「code: command not found」と表示される場合
VSCodeを起動しようとして、
code: command not found
と表示される場合は、VSCodeが正常にインストールされていない可能性があります。
インストール状態を確認する
次のコマンドを実行します。
dpkg -s code
または、
code --version
で確認できます。
インストールされていなければ、
sudo apt update
sudo apt install code
を実行してください。
Raspberry PiにVSCodeをインストールする最も簡単な手順
Raspberry Pi OS Desktopを使用している場合は、基本的に次の手順だけでVSCodeをインストールできます。
sudo apt update
sudo apt install code
インストールが完了したら、
code
で起動します。
流れをまとめると次のとおりです。
Raspberry Pi OSを起動
↓
ターミナルを起動
↓
sudo apt update
↓
sudo apt install code
↓
code
↓
VSCodeを起動
Raspberry Pi 4やRaspberry Pi 5など比較的性能の高いモデルで、デスクトップ版Raspberry Pi OSを使用している場合は、ラズパイ本体にVSCodeをインストールする方法が分かりやすいでしょう。
一方、Raspberry Pi OS Liteを使っている場合や、ラズパイ本体の負荷を抑えたい場合は、PC側のVSCodeからRemote SSHで接続する方法も有力です。
用途やRaspberry Piの性能に合わせて、本体でVSCodeを動かす方法とRemote SSHを使う方法を選ぶとよいでしょう。
以上、ラズパイにVSCodeをインストールする方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。









