Kotlinは、Javaと同じJVM上で動作するプログラミング言語です。
そのため、Javaで作られている Minecraft Java Edition のMod開発にもそのまま利用できます。
近年では、コードの簡潔さや安全性の高さから、Minecraft Mod開発でもKotlinを採用するケースが増えています。
特にFabric環境では、Kotlinを利用するための公式ライブラリが提供されており、比較的スムーズに導入できます。
ここでは、Kotlinを使ったMinecraft Mod開発について、基礎から実践的なポイントまで体系的に解説します。
Minecraft Mod開発の基本構造
MinecraftのModは、基本的に次のような構成で作られます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| ゲーム本体 | Minecraft Java Edition |
| Modローダー | Forge または Fabric |
| 言語 | Java / Kotlin |
| ビルドツール | Gradle |
| 開発環境 | IntelliJ IDEA など |
Minecraft自体はJavaで書かれているため、JVM言語であれば基本的に利用可能です。
KotlinはJVM互換なので、Java向けのMod APIをそのまま使うことができます。
Modローダーの種類
MinecraftのMod開発では、主に以下の2つのローダーが使われます。
Forge
Forgeは、Minecraft Mod開発の中でも歴史が長く、大規模Modに多く採用されています。
特徴としては次の通りです。
- APIが非常に豊富
- 古くから存在し、情報量が多い
- 大型Modとの互換性が高い
一方で、開発環境の構成がやや重くなる傾向があります。
Fabric
Fabricは比較的新しいModローダーで、軽量性と更新の速さが特徴です。
主な特徴は次の通りです。
- 非常に軽量
- 新しいMinecraftバージョンへの対応が早い
- APIがシンプル
- Kotlinとの相性がよい
現在のMod開発では、Fabricをベースに開発するケースが増えています。
Kotlinを使うメリット
Minecraft Mod開発にKotlinを使うと、いくつかの利点があります。
コード量が少ない
KotlinはJavaよりも記述量を減らせるため、コードの可読性が高くなります。
Javaの例
public class ExampleMod implements ModInitializer {
@Override
public void onInitialize() {
}
}
Kotlinの例
object ExampleMod : ModInitializer {
override fun onInitialize() {
}
}
Kotlinでは、ボイラープレートコードが大幅に削減されます。
Null安全
MinecraftのAPIでは、null値を扱う場面が多くあります。
Kotlinでは、nullの扱いを型レベルで管理できます。
val player: PlayerEntity?
これにより、NullPointerExceptionの発生を防ぎやすくなります。
拡張関数が使える
Kotlinでは既存クラスに対して機能を追加できます。
例
fun PlayerEntity.sendMessageText(text: String) {
this.sendMessage(Text.of(text))
}
このように書くことで、次のように利用できます。
player.sendMessageText("Hello")
Mod開発では、ユーティリティ機能を作る際に非常に便利です。
開発環境の準備
Minecraft Mod開発では、次のツールがよく使われます。
IDE
最も一般的なのは IntelliJ IDEA です。
理由は次の通りです。
- Kotlin公式IDE
- Gradleとの統合が優秀
- Minecraft開発プラグインがある
Community Editionでも問題ありません。
Javaバージョン
Minecraftのバージョンによって必要なJavaが変わります。
例として、比較的新しいMinecraftでは次のような条件があります。
- Minecraft 1.20.5以降
→ Java 21以上が必要
環境構築の際は、対象Minecraftバージョンに対応したJDKを用意する必要があります。
Modプロジェクトの作成
Fabric環境でModを作る場合、一般的には次の方法が使われます。
方法1
公式テンプレート
fabric-example-mod
方法2
Fabricのテンプレート生成ツール
これらを使うことで、Gradle設定やMod構成が最初から用意された状態で開発を始められます。
Kotlinを導入する方法
FabricでKotlinを使う場合は、fabric-language-kotlin を利用します。
Gradleの依存関係に追加します。
例
modImplementation "net.fabricmc:fabric-language-kotlin:<version>"
このライブラリには次の機能が含まれています。
- Kotlin runtime
- Kotlin adapter
- Fabric向けユーティリティ
Mod初期化クラス
Fabric Modでは、エントリーポイントとなるクラスを作ります。
Kotlinの例
object ExampleMod : ModInitializer {
override fun onInitialize() {
println("Mod initialized")
}
}
この onInitialize() が、Minecraft起動時に実行されます。
簡単なブロック登録の流れ
MinecraftのModでは、次の流れで要素を追加します。
- ブロックを定義
- レジストリに登録
- アイテム化(必要なら)
- テクスチャを追加
簡易例
val RUBY_BLOCK = Block(Settings.create())
登録処理
Registry.register(
Registries.BLOCK,
Identifier("example", "ruby_block"),
RUBY_BLOCK
)
Minecraftでは、ブロックやアイテムは Registry に登録する必要があります。
Modでよく作られる機能
Minecraft Modには様々な種類があります。
代表的なものは次の通りです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| アイテム追加 | 武器、ツール、食料 |
| ブロック追加 | 建築素材 |
| モブ追加 | 新しい敵や動物 |
| UI改善 | インベントリ改善 |
| ワールド生成 | 新バイオーム |
| 便利系 | ミニマップ、HUD |
最初は アイテム追加やブロック追加 から始めるのが一般的です。
学習ステップ
KotlinでMod開発を学ぶ場合、次の順序がおすすめです。
- Fabricテンプレートを起動する
- ログを出すだけのMod
- アイテム追加
- ブロック追加
- イベント処理
- GUI
- ワールド生成
段階的に理解していくと、Minecraftの内部構造も自然に理解できます。
よくあるディレクトリ構成
Modが大きくなると、次のような構成に整理されることが多いです。
mod
├ block
├ item
├ entity
├ registry
├ world
├ gui
└ util
機能ごとに分割しておくと、保守性が大きく向上します。
Kotlin Mod開発の注意点
Kotlinは便利ですが、いくつか注意点もあります。
Javaベースのチュートリアルが多い
Minecraft Mod開発の資料は、Java前提のものが多く存在します。
そのため、Kotlinで書き換えながら理解する必要があります。
バージョン依存が強い
Minecraft Mod開発では、
- Minecraft本体
- Fabric Loader
- Fabric API
などのバージョンが密接に関係しています。
コード例をそのままコピーすると動かないこともあるため、公式ドキュメントで最新仕様を確認することが重要です。
まとめ
KotlinによるMinecraft Mod開発は、次のような特徴があります。
- Javaと互換性がある
- コードが簡潔になる
- null安全などモダンな機能が使える
- Fabric環境との相性がよい
ただし、Minecraft Mod開発はバージョン依存が強いため、公式ドキュメントやテンプレートを基準に開発を進めることが重要です。
以上、KotlinのMod開発についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










