PHPをバックエンド開発で使うメリットについて

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PHPは、WebサイトやWebアプリケーションのバックエンド開発で広く利用されているサーバーサイド言語です。

ブラウザから送信されたリクエストをサーバー側で処理し、データベースから情報を取得したり、ログイン認証を行ったり、HTMLやJSONなどのレスポンスを生成したりできます。

PHPはWeb開発との親和性が高く、LaravelなどのフレームワークやComposerによるパッケージ管理、WordPressをはじめとした豊富なエコシステムを活用できる点が大きな特徴です。

小規模なWebサイトから本格的なWebアプリケーションまで幅広い用途に対応できます。

ここでは、PHPをバックエンド開発で使う主なメリットについて詳しく解説します。

目次

Webバックエンド開発との相性がよい

PHPの大きなメリットは、Web開発との親和性が高いことです。

HTTPリクエストの処理やフォームデータの受け取り、Cookie、セッション、JSONの生成など、Webバックエンドで必要になる処理を実装できます。

HTTPリクエストを扱いやすい

PHPでは、フォームから送信されたデータやURLのクエリパラメータを簡単に取得できます。

たとえば、POSTで送信されたデータは次のように取得できます。

$name = $_POST['name'] ?? '';

GETパラメータであれば、次のように取得できます。

$id = $_GET['id'] ?? null;

ただし、Laravelなどのフレームワークを利用する実務的なWebアプリケーションでは、$_GET$_POSTを直接利用するより、フレームワークが提供するRequest機能やバリデーション機能を利用することが一般的です。

HTMLとの連携がしやすい

PHPはHTMLの中に処理を埋め込むこともできます。

<h1><?= htmlspecialchars($title, ENT_QUOTES, 'UTF-8') ?></h1>

そのため、サーバー側で取得したデータをHTMLとして表示するWebサイトを構築しやすいのが特徴です。

ただし、大規模なWebアプリケーションでは、HTMLとビジネスロジックを直接混在させるより、MVCなどの設計手法やテンプレートエンジンを利用して役割を分離したほうが保守しやすくなります。

また、XSS対策では単純にすべての出力にhtmlspecialchars()を使用すればよいわけではありません。

HTML、JavaScript、URL、CSSなど、出力先のコンテキストに応じた適切なエスケープが必要です。

学習を始めやすい

PHPは、比較的少ないコードからWebプログラミングを始められる言語です。

基本的な文法を理解しやすい

PHPでは、変数、条件分岐、繰り返し処理などを比較的分かりやすい構文で記述できます。

$price = 1000;

if ($price >= 1000) {
    echo '送料無料です';
}

C言語やJava、JavaScriptなどと似た構文も多いため、ほかのプログラミング言語を経験している人であれば理解しやすいでしょう。

ただし、PHPにはオブジェクト指向、型宣言、例外処理、依存性注入、テスト、設計など高度な要素もあります。

そのため、「簡単な言語」と断定するより、「学習を始めやすい言語」と考えるのが適切です。

学習情報が豊富

PHPは長年Web開発で使用されているため、公式マニュアル、書籍、技術記事、動画教材、Q&Aなどの情報が豊富です。

一方で、古いPHPバージョンを前提とした情報もWeb上には数多く残っています。

学習するときは、現在利用しているPHPのバージョンに対応した情報かどうかを確認することが重要です。

Webサービスを効率よく開発できる

PHPにはWebアプリケーション開発向けのフレームワークやライブラリが充実しています。

これらを活用することで、一般的な機能をすべてゼロから実装する必要がなくなります。

Laravelなどのフレームワークを利用できる

PHPにはLaravelやSymfonyなどの代表的なWebアプリケーションフレームワークがあります。

Laravelでは、次のような機能を利用できます。

  • ルーティング
  • データベース操作
  • バリデーション
  • 認証
  • セッション管理
  • キャッシュ
  • キュー処理
  • メール送信
  • API開発
  • テスト支援

たとえば、LaravelではURLと処理を次のように関連付けられます。

Route::get('/users', [UserController::class, 'index']);

Webアプリケーションで頻繁に必要になる仕組みがあらかじめ用意されているため、開発者はサービス固有の機能に集中しやすくなります。

データベースと連携しやすい

バックエンド開発では、データベースとの連携が重要です。

PHPではMySQL、PostgreSQL、SQLiteなど、さまざまなデータベースを利用できます。

PDOを利用できる

PHPにはPDOが用意されており、データベースへの接続やSQLの実行ができます。

$pdo = new PDO(
    'mysql:host=localhost;dbname=example;charset=utf8mb4',
    'user',
    'password',
    [
        PDO::ATTR_ERRMODE => PDO::ERRMODE_EXCEPTION,
    ]
);

$stmt = $pdo->prepare('SELECT * FROM users WHERE id = :id');
$stmt->execute(['id' => 1]);

$user = $stmt->fetch(PDO::FETCH_ASSOC);

ユーザー入力などの値をSQLに渡す場合は、文字列を直接連結するのではなく、プリペアドステートメントを利用することが重要です。

これにより、SQLインジェクションのリスクを減らせます。

ただし、テーブル名やカラム名、ORDER BYの指定など、プレースホルダーを利用できない部分については、ホワイトリスト方式など別の対策が必要です。

ORMを利用できる

LaravelにはEloquent ORMが用意されています。

たとえば、ユーザー情報は次のように取得できます。

$user = User::find(1);

ORMを利用することで、SQLを直接記述せずにデータベースを操作できる場面が増えます。

一方で、複雑な集計処理や大量データを扱う処理では、Query BuilderやSQLを直接利用したほうが適している場合もあります。

用途に応じて使い分けることが重要です。

WordPressなどのCMS開発に強い

PHPを利用するメリットの一つとして、CMSとの親和性の高さがあります。

WordPressの開発やカスタマイズに使える

WordPressはPHPを利用して動作する代表的なCMSです。

そのため、PHPを習得すると次のような作業に役立ちます。

  • オリジナルテーマ開発
  • プラグイン開発
  • WordPressの機能追加
  • カスタム投稿タイプの実装
  • 外部APIとの連携
  • 管理画面のカスタマイズ
  • 独自のデータベース処理

企業サイト、オウンドメディア、ブログ、EC関連サイトなど、WordPressを利用したWeb制作ではPHPの知識が役立つ場面が多くあります。

多くのホスティング環境で利用しやすい

PHPは、多くの共有レンタルサーバーやWebホスティングサービスで利用できます。

Webサイトを公開しやすい

一般的なレンタルサーバーではPHPとMySQLなどを利用できる場合が多く、比較的少ない準備でWebサイトやWebアプリケーションを公開できます。

たとえば、次のような用途と相性があります。

  • コーポレートサイト
  • ブログ
  • オウンドメディア
  • 問い合わせフォーム
  • 会員サイト
  • 小規模Webシステム
  • WordPressサイト

ただし、利用できるPHPのバージョンや拡張機能、設定などはホスティングサービスによって異なります。

利用前に動作要件を確認することが重要です。

Dockerを利用して開発環境を構築しやすい

PHPはDockerを利用した開発環境にも対応しています。

チーム内で環境を統一できる

たとえば、次のような構成でPHPアプリケーションを動かせます。

ブラウザ
   ↓
Nginx
   ↓
PHP-FPM
   ↓
Laravelアプリケーション
   ↓
MySQL

Dockerを利用すれば、PHPのバージョンや拡張機能、Webサーバー、データベースなどをコンテナとして管理できます。

そのため、開発者ごとの環境差を減らし、チーム内で同じ開発環境を再現しやすくなります。

Composerでパッケージを管理できる

PHPにはComposerという代表的な依存関係管理ツールがあります。

外部ライブラリを導入しやすい

Composerを利用すると、必要なPHPパッケージをコマンドから追加できます。

composer require vendor/package

依存関係は主にcomposer.jsoncomposer.lockで管理されます。

composer.lockを共有することで、チームメンバーや本番環境で同じバージョンの依存パッケージを再現しやすくなります。

Packagistから多くのパッケージを利用できる

Composerでは、代表的なPHPパッケージリポジトリであるPackagistからさまざまなライブラリを導入できます。

認証、HTTP通信、ログ、画像処理、API連携など、多くの機能を既存パッケージで補えるため、すべてを自作する必要がありません。

APIバックエンドを構築できる

PHPはHTMLを生成するWebサイトだけでなく、REST APIなどのバックエンド開発にも利用できます。

JSONを簡単に返せる

PHPではデータをJSONに変換できます。

$data = [
    'id' => 1,
    'name' => 'Taro',
];

header('Content-Type: application/json; charset=utf-8');

echo json_encode($data, JSON_UNESCAPED_UNICODE);

Laravelなどを利用する場合は、フレームワークが提供するJSONレスポンス機能を利用する方法も一般的です。

JavaScriptフレームワークと分離して構築できる

PHPをAPIバックエンドとして利用し、ReactやVue.jsなどをフロントエンドとして利用することもできます。

React / Vue.js
      ↓
   REST API
      ↓
PHP / Laravel
      ↓
   Database

Next.jsをフロントエンドとして利用し、PHPやLaravelをAPIバックエンドとして組み合わせる構成も可能です。

ただし、Next.js自体にもサーバーサイド機能があるため、システム全体の役割分担を考えて設計することが重要です。

認証やセッション管理を実装できる

PHPにはセッションを扱う仕組みが標準で用意されています。

session_start();

$_SESSION['user_id'] = 123;

そのため、ログイン状態などをサーバー側で管理できます。

フレームワークの認証機能を活用できる

Laravelなどのフレームワークでは、認証、認可、CSRF対策などの機能を利用できます。

認証機能はセキュリティ上重要であるため、独自実装を増やすよりも、十分に検証されたフレームワークやライブラリを利用するほうが安全です。

また、セッションを利用する場合も、セッションIDの再生成、Cookie属性の設定、HTTPSの利用などを適切に行う必要があります。

オブジェクト指向による開発に対応している

現在のPHPでは、本格的なオブジェクト指向プログラミングが可能です。

クラスや型宣言を利用できる

たとえば、次のようにクラスを定義できます。

class UserService
{
    public function getUser(int $id): array
    {
        return [
            'id' => $id,
            'name' => 'Taro',
        ];
    }
}

PHPでは、クラス、継承、インターフェース、トレイト、名前空間、型宣言、Enum、readonlyなどの機能を利用できます。

適切な設計を行えば、小規模なWebサイトだけでなく、大規模なWebアプリケーションにも対応できます。

ただし、大規模開発のしやすさはプログラミング言語だけで決まるものではありません。

アーキテクチャ、テスト、静的解析、CI/CD、データベース設計、インフラ設計、チーム体制なども重要です。

テストや静的解析を導入できる

PHPでは、コード品質を維持するための開発ツールも充実しています。

PHPUnitでテストできる

PHPUnitはPHPで広く利用されているテストフレームワークです。

単体テストや結合テストを導入することで、機能追加やリファクタリングによる不具合を発見しやすくなります。

利用するPHPのバージョンによって対応するPHPUnitのバージョンが異なるため、互換性を確認することが重要です。

PHPStanやPsalmで静的解析できる

PHPStanやPsalmなどを利用すれば、型情報などを基にコードを解析し、潜在的な問題を実行前に発見しやすくなります。

ただし、静的解析ですべてのバグや実行時エラーを検出できるわけではありません。

自動テストと組み合わせて利用することが重要です。

コーディングスタイルも統一できる

PHP-CS-Fixerなどのツールを利用すれば、コーディングスタイルを自動的に整えられます。

チーム開発ではコードの書き方を統一しやすくなり、レビューや保守の効率向上につながります。

既存のWeb資産を活用しやすい

PHPは長年Web開発で利用されているため、既存システムやCMS、ライブラリなどの資産が数多く存在します。

既存システムの保守や改修にも向いている

PHPは次のようなシステムで利用されているケースがあります。

  • コーポレートサイト
  • WordPressサイト
  • ECサイト
  • 会員サイト
  • 予約システム
  • メディアサイト
  • 業務システム
  • Web API

既存のPHPシステムがある場合、すぐに別の言語へ全面移行するのではなく、現在のコードを改善しながら継続利用したほうが、コストやリスクを抑えられる場合があります。

開発者や外部パートナーを探しやすい場合がある

PHPは長年Web開発で使用されているため、PHP、WordPress、Laravelなどの経験を持つエンジニアや開発会社を探しやすいケースがあります。

特に既存のPHPシステムを保守・改修する場合、経験者を確保できることは大きなメリットです。

ただし、人材の確保しやすさは地域や採用市場、必要とするスキルレベルによって異なります。

必ずしもPHPを選べば採用が容易になるとは限りません。

オープンソース中心の構成にしやすい

PHPはオープンソースで利用でき、言語そのものにライセンス費用はかかりません。

ライセンスコストを抑えやすい

たとえば、次のようなオープンソース技術と組み合わせられます。

Linux
Nginx
PHP-FPM
Laravel
MySQL

そのため、ライセンス費用を抑えたシステム構成を作りやすいこともメリットです。

ただし、PHPを利用すれば必ず運用コストが安くなるわけではありません。

実際のコストは、クラウド利用料、サーバー性能、データベース、CDN、監視、開発費、保守費、人件費、アクセス数などによって変わります。

PHPをバックエンドで使う際の注意点

PHPには多くのメリットがありますが、適切な設計やセキュリティ対策を行わなければ、保守しにくいシステムになる可能性があります。

古いコードをそのまま利用しない

PHPは長い歴史を持つため、Web上には古いバージョン向けのコードも数多く残っています。

古いサンプルコードには、現在では非推奨となっている機能や、セキュリティ上適切ではない実装が含まれている場合があります。

コードを参考にするときは、利用しているPHPバージョンに対応しているかを確認しましょう。

PHPのサポート期限を確認する

PHPにはバージョンごとに公式サポート期間があります。

サポートが終了したPHPバージョンを利用し続けると、新たなセキュリティ問題が見つかっても修正を受けられない可能性があります。

新規開発では、フレームワークやライブラリとの互換性を確認しながら、サポート対象となっているPHPバージョンを利用することが重要です。

セキュリティ対策を行う

PHPに限らず、バックエンド開発では次のような脆弱性に注意する必要があります。

  • SQLインジェクション
  • XSS
  • CSRF
  • セッションハイジャック
  • ファイルアップロードの脆弱性
  • 認証・認可の不備
  • 秘密情報の漏えい

フレームワークのセキュリティ機能を正しく利用するとともに、入力値の検証、適切なエスケープ、プリペアドステートメント、HTTPSなどを組み合わせることが重要です。

設計を意識する

PHPは比較的すぐにコードを書き始められますが、設計を考えずに開発すると、HTML、SQL、ビジネスロジックなどが混在した保守しにくいコードになりやすい場合があります。

規模が大きくなるほど、MVC、レイヤードアーキテクチャ、依存性注入、自動テスト、静的解析などを取り入れて責務を分離することが重要です。

PHPはどのようなバックエンド開発に向いているのか

PHPは特に、Webを中心としたバックエンド開発に向いています。

代表的な用途としては、次のようなものがあります。

  • コーポレートサイト
  • WordPressサイト
  • オウンドメディア
  • ECサイト
  • 会員制Webサービス
  • 予約システム
  • 管理画面
  • 業務システム
  • REST API
  • SaaS
  • Laravelを利用したWebアプリケーション

一方で、大量のリアルタイム通信やCPU負荷の高い計算処理など、システム要件によってはほかの言語や技術が適している場合もあります。

PHPが向いているかどうかは、開発するサービスの要件、既存資産、チームのスキル、インフラ構成、運用体制などを踏まえて判断することが重要です。

PHPをバックエンド開発で使うメリットのまとめ

PHPをバックエンド開発で使う大きなメリットは、Web開発との親和性が高く、成熟したエコシステムを活用して効率よくWebサービスを構築できることです。

Laravelなどのフレームワーク、Composerによるパッケージ管理、WordPressをはじめとしたCMS、MySQLやPostgreSQLなどのデータベースと組み合わせることで、さまざまなWebシステムを開発できます。

また、多くのホスティング環境で利用でき、API開発やオブジェクト指向開発、静的解析、自動テストにも対応しているため、現代的なバックエンド開発にも利用できます。

一方で、PHPのメリットを十分に生かすには、サポート対象のバージョンを利用し、セキュリティ対策や設計、テスト、静的解析などを適切に取り入れることが重要です。

システムの要件やチームの状況に合っていれば、PHPは現在でもWebバックエンド開発における有力な選択肢の一つです。

以上、PHPをバックエンド開発で使うメリットについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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