Visual Studio Code(VSCode)にはGitを操作するための機能が標準で搭載されています。
ただし、Git本体そのものがVSCodeに含まれているわけではありません。
そのため、VSCodeでGitを使ってバージョン管理を行う場合は、基本的にパソコンへGitを別途インストールする必要があります。
Gitをインストールすると、VSCodeの「ソース管理」機能から、ファイルの変更確認やステージング、コミット、ブランチ操作などができるようになります。
GitHubなどのリモートリポジトリを設定すれば、PushやPull、Cloneといった操作も可能です。
WindowsでGitをインストールする方法
WindowsでVSCodeを使用している場合は、「Git for Windows」をインストールする方法が一般的です。
Gitの公式サイトからインストーラーをダウンロードする
まず、Gitの公式サイトからWindows版のインストーラーをダウンロードします。
一般的なIntelまたはAMD製CPUを搭載したWindowsパソコンであれば、通常はx64版を選択します。
ARM版Windowsを使用している場合は、ARM64版を選択します。
Gitのインストーラーを起動する
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックして起動します。
Windowsのユーザーアカウント制御が表示された場合は、内容を確認して「はい」を選択します。
Gitのセットアップ画面が表示されたら、案内に従って進めます。
インストール先を設定する
Gitのインストール先を指定します。
特別な理由がなければ、初期設定のままで問題ありません。
Windowsでは一般的に、次のような場所へインストールされます。
C:\Program Files\Git
インストール先にこだわりがなければ、そのまま「Next」を選択して進めます。
インストールする機能を選択する
Git BashやGit GUIなど、インストールするコンポーネントを選択する画面が表示されます。
初心者の場合は、基本的に初期設定のままで問題ありません。
特にGit Bashは、Gitコマンドを実行するときに便利なターミナルです。
Gitで使用するエディターを設定する
インストール途中では、Gitがコミットメッセージなどを編集するときに使用するエディターを選択できます。
VSCodeを普段使用している場合は、Visual Studio Codeを選択してもよいでしょう。
ただし、この設定をVSCodeに変更しなくても、VSCodeのGit機能自体は利用できます。
PATHの設定を確認する
GitをコマンドプロンプトやPowerShell、VSCodeのターミナルなどから利用するためには、PATHが適切に設定されている必要があります。
Git for Windowsのインストーラーでは、通常は推奨されている標準設定を選択しておけば問題ありません。
これにより、VSCodeのターミナルからも次のようにGitを実行できるようになります。
git --version
その他の設定を確認してインストールする
HTTPS通信や改行コード、ターミナルなどに関する設定が表示されることがあります。
特別な開発要件がなければ、基本的にはインストーラーの推奨設定のまま進めれば問題ありません。
最後に「Install」を選択するとGitがインストールされます。
参考サイト
WindowsにGitをインストールする手順【VSCode対応 / 2026】 #GitHub – Qiita
wingetを使ってGitをインストールする方法
Windowsでは、Windows Package Managerの「winget」を使用してGitをインストールすることもできます。
GUIのインストーラーを操作したくない場合に便利です。
PowerShellまたはコマンドプロンプトを開く
PowerShellまたはコマンドプロンプトを起動します。
その後、次のコマンドを実行します。
winget install --id Git.Git -e --source winget
インストールが完了したら、PowerShellやVSCodeを一度閉じて再起動します。
Gitがインストールされたか確認する
次のコマンドを実行します。
git --version
Gitのバージョン番号が表示されれば、インストールは完了しています。
macOSでGitをインストールする方法
macOSでもVSCodeとは別にGitを利用できる環境を用意します。
主な方法として、Xcode Command Line Toolsを利用する方法とHomebrewを利用する方法があります。
Xcode Command Line Toolsを利用する
ターミナルを開き、次のコマンドを実行します。
xcode-select --install
画面の案内に従ってCommand Line Toolsをインストールします。
インストール後は、次のコマンドでGitが利用できるか確認できます。
git --version
HomebrewからGitをインストールする
Homebrewを使用している場合は、次のコマンドでもGitをインストールできます。
brew install git
Homebrewで開発ツールを一元管理している場合はこちらの方法も便利です。
LinuxでGitをインストールする方法
Linuxでは、使用しているディストリビューションのパッケージマネージャーからGitをインストールする方法が一般的です。
Ubuntu・Debianの場合
UbuntuやDebian系のLinuxでは、次のコマンドを実行します。
sudo apt update
sudo apt install git
インストール後は、次のコマンドで確認します。
git --version
Fedoraの場合
Fedoraでは次のコマンドを使用します。
sudo dnf install git
Arch Linuxの場合
Arch Linuxでは次のコマンドを使用します。
sudo pacman -S git
利用しているLinuxディストリビューションによってコマンドが異なるため、環境に合ったパッケージマネージャーを使用します。
Gitが正しくインストールされたか確認する
Gitをインストールしたら、VSCodeからGitが利用できるか確認します。
VSCodeを再起動する
GitをインストールしたときにVSCodeを起動したままだった場合は、一度VSCodeを完全に終了してから再起動します。
環境変数などの変更が、起動済みのVSCodeに反映されていない可能性があるためです。
VSCodeのターミナルを開く
VSCode上部のメニューから「ターミナル」→「新しいターミナル」を選択します。
WindowsやLinuxでは、一般的に次のショートカットでもターミナルを開けます。
Ctrl + `
Gitのバージョンを確認する
ターミナルで次のコマンドを実行します。
git --version
例えば次のように表示されれば、Gitが正常に認識されています。
git version 2.x.x
実際に表示されるバージョン番号は、インストールしているGitのバージョンによって異なります。
Gitのユーザー名とメールアドレスを設定する
Gitをインストールしたら、コミットに記録するユーザー情報を設定しておくとよいでしょう。
Gitでは、コミットを作成した人物を識別するためにユーザー名とメールアドレスを使用します。
ユーザー名を設定する
VSCodeのターミナルで次のコマンドを実行します。
git config --global user.name "Your Name"
例えば次のように設定できます。
git config --global user.name "Taro Yamada"
メールアドレスを設定する
続いて、コミットに記録するメールアドレスを設定します。
git config --global user.email "your-email@example.com"
このメールアドレスはGitHubなどへのログインパスワードとして使用されるものではありません。
あくまでGitのコミット情報に記録されるメールアドレスです。
GitHubを使用する場合は、GitHubに登録しているメールアドレスや、プライバシー保護用のnoreplyアドレスを利用することもできます。
Gitの設定内容を確認する
現在設定されているユーザー情報は、次のコマンドで確認できます。
git config --global --list
例えば次のように表示されます。
user.name=Taro Yamada
user.email=your-email@example.com
VSCodeがGitを認識しているか確認する
VSCodeにはGitの基本機能が標準搭載されています。
Git本体が正しくインストールされていれば、通常はVSCodeが自動的にGitを検出します。
ソース管理を開く
VSCode左側のアクティビティバーにある「ソース管理」のアイコンをクリックします。
WindowsやLinuxでは、次のショートカットでも開けます。
Ctrl + Shift + G
Gitリポジトリを開いている場合は、変更されたファイルなどが表示されます。
新しいフォルダをGitリポジトリにする方法
Gitをインストールできたら、VSCodeからGitリポジトリを作成して動作確認してみるとよいでしょう。
プロジェクトフォルダを開く
VSCodeで「ファイル」→「フォルダーを開く」を選択します。
Gitで管理したいプロジェクトフォルダを開きます。
Gitリポジトリを初期化する
左側の「ソース管理」を開き、「リポジトリを初期化」または「Initialize Repository」を選択します。
これはGitコマンドでは、次の操作に相当します。
git init
実行すると、プロジェクトフォルダ内に.gitという管理用ディレクトリが作成されます。
これによって、そのフォルダがGitリポジトリになります。
VSCodeから最初のコミットを作成する方法
Gitリポジトリを作成したら、実際にファイルを変更してコミットしてみます。
ファイルを作成または変更する
例えば、次のようなファイルを作成します。
index.html
ファイルを保存すると、VSCodeの「ソース管理」に変更されたファイルが表示されます。
ファイルをステージングする
変更されたファイルの横にある「+」をクリックします。
これはGitコマンドでは、次の操作に相当します。
git add index.html
すべての変更をまとめてステージングする場合は、次のコマンドに相当します。
git add .
コミットメッセージを入力する
ソース管理画面上部にある入力欄へ、変更内容を表すコミットメッセージを入力します。
例えば次のように入力します。
Initial commit
その後、「コミット」を選択します。
これでGitに変更履歴が保存されます。
GitHubのリポジトリをVSCodeにCloneする方法
Gitがインストールされていれば、GitHubなどにある既存のGitリポジトリをVSCodeへCloneできます。
Git: Cloneを実行する
VSCodeでコマンドパレットを開きます。
Windows・Linuxでは次のショートカットを使用します。
Ctrl + Shift + P
macOSでは次のショートカットです。
Command + Shift + P
コマンドパレットに次のように入力します。
Git: Clone
CloneしたいリポジトリのURLを入力し、保存先のフォルダを選択します。
Cloneが完了すると、そのリポジトリをVSCodeで開けます。
GitのインストールとGitHubへの接続は別の設定
初心者が混同しやすいポイントとして、「Gitをインストールすること」と「GitHubを利用できるようにすること」は別の設定です。
Gitをインストールすれば、パソコン内だけでGitによるバージョン管理ができます。
例えば、次のような操作はGitだけで実行できます。
- リポジトリの作成
- ファイルの変更管理
- ステージング
- コミット
- ブランチの作成
- ブランチの切り替え
- マージ
一方で、GitHubへPushしたり、GitHubからPullしたりするには、リモートリポジトリの設定や認証が必要です。
つまり、Gitをインストールしただけで自動的にGitHubへ接続されるわけではありません。
GitHub DesktopだけではVSCodeのGit環境を代用できない
GitHub Desktopをインストールしている場合でも、VSCodeのGit機能で使用するGit本体が別途必要になる場合があります。
VSCodeは基本的に、システムにインストールされたGitを利用してGit操作を行います。
そのため、VSCodeでGitを本格的に使用する場合は、Git本体が正しくインストールされているか確認しておくことが重要です。
VSCodeでGit用の拡張機能をインストールする必要はない
VSCodeにはGitの基本機能が標準で搭載されています。
そのため、通常のGit操作だけであれば「Git」という名前の拡張機能を別途インストールする必要はありません。
基本的に必要なのは次の2つです。
VSCode
+
Git本体
これだけで、ステージングやコミット、ブランチ操作、Clone、Pull、Pushなどの基本操作が可能です。
ただし、GitHubのPull RequestやIssueなどをVSCodeから詳しく管理したい場合は、GitHub関連の拡張機能を追加すると便利です。
GitがVSCodeで認識されない場合の対処法
GitをインストールしてもVSCodeで認識されないことがあります。
その場合はいくつかのポイントを確認します。
VSCodeを再起動する
Gitをインストールする前からVSCodeを起動していた場合は、一度完全に終了して再起動します。
Gitのインストールによって変更されたPATHが反映されていない可能性があるためです。
Windowsを再起動する
VSCodeを再起動しても認識されない場合は、Windows自体を再起動すると改善することがあります。
Gitのインストール場所を確認する
Windowsでは一般的に、Gitは次のような場所へインストールされます。
C:\Program Files\Git
Gitの実行ファイルは、環境によって次のような場所にあります。
C:\Program Files\Git\cmd\git.exe
実際のインストール先は設定によって異なります。
Git: Show Git Outputを確認する
VSCodeでGit関連のエラーが発生する場合は、コマンドパレットから次のコマンドを実行すると原因を確認しやすくなります。
Git: Show Git Output
Git Outputには、VSCodeが使用しているGitの場所や実行したコマンド、エラー内容などが表示されます。
Gitが見つからない場合やGit操作に失敗する場合は、最初に確認するとよいでしょう。
git.pathは必要な場合だけ設定する
通常、VSCodeはGitの実行ファイルを自動的に検出するため、git.pathを手動で設定する必要はありません。
ただし、Gitを特殊な場所へインストールしている場合や、複数のGit環境を使い分けている場合には、git.pathを設定することでGitの場所を明示できます。
基本的には、自動検出に任せる方法がおすすめです。
「git is not recognized」と表示される場合
WindowsのターミナルでGitコマンドを実行したときに、Gitが認識されないというエラーが表示される場合があります。
例えば、次のようなケースです。
'git' is not recognized...
LinuxやmacOSでは、次のように表示されることがあります。
git: command not found
この場合は、Gitが正常にインストールされていないか、PATHが正しく設定されていない可能性があります。
Gitを再インストールしたうえで、VSCodeやOSを再起動して確認するとよいでしょう。
VSCodeでGitを使い始めるまでの流れ
初めてVSCodeでGitを使う場合は、次の順番で設定すると分かりやすいでしょう。
- VSCodeをインストールする
- Git本体をインストールする
- VSCodeを再起動する
git --versionで動作を確認するuser.nameを設定するuser.emailを設定する- VSCodeでプロジェクトフォルダを開く
- Gitリポジトリを初期化する、または既存リポジトリをCloneする
- ファイルを変更する
- ステージングする
- コミットする
- 必要に応じてGitHubなどのリモートリポジトリを設定する
- PushやPullを行う
この順番で進めれば、Git初心者でもVSCodeでGitを使い始めやすくなります。
まとめ
VSCodeにはGitを操作するための機能が標準搭載されていますが、Git本体は含まれていません。
そのため、VSCodeでGitを利用するには、まずWindowsやmacOS、LinuxへGit本体をインストールします。
インストール後は、VSCodeのターミナルで次のコマンドを実行して動作確認を行います。
git --version
続いて、コミットに記録するユーザー名とメールアドレスを設定します。
git config --global user.name "Your Name"
git config --global user.email "your-email@example.com"
Gitが正しく認識されれば、VSCodeの「ソース管理」からリポジトリの初期化、ステージング、コミット、ブランチ操作などを行えます。
さらにGitHubなどのリモートリポジトリを設定すれば、Clone、Push、Pullといった操作も可能になります。
GitをインストールすることとGitHubへ接続することは別の設定であるため、まずはGit単体の環境を構築し、その後必要に応じてGitHubとの連携を設定すると理解しやすいでしょう。
以上、VSCodeでGitを使うにはGit本体のインストールが必要なのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。









