PHPの代入演算子とは、変数に値を入れるための演算子です。
もっとも基本的な代入演算子は = です。
$name = '田中';
$age = 30;
このコードでは、$name に '田中'、$age に 30 が代入されています。
ここで注意したいのは、PHPにおける = は「等しい」という意味ではないことです。
数学では = を「等しい」という意味で使いますが、PHPでは右側の値を左側の変数に入れるという意味になります。
$a = 10;
これは「$a は 10 と等しい」という意味ではなく、「$a に 10 を代入する」という意味です。
PHPでは、変数に値を入れたり、計算結果を保存したり、文字列を追加したりするときに代入演算子を使います。
プログラムを書くうえで非常に基本的な文法なので、PHPを学ぶなら必ず理解しておきたい内容です。
基本の代入演算子「=」
右辺の値を左辺に代入する
PHPの基本的な代入は、次のように書きます。
$変数名 = 値;
例を見てみましょう。
$message = 'こんにちは';
$count = 5;
$is_active = true;
この場合、それぞれの変数には次の値が入ります。
$message // 'こんにちは'
$count // 5
$is_active // true
PHPの代入では、右側の値や式が先に評価され、その結果が左側の変数に入ると考えるとわかりやすいです。
$total = 1000 + 500;
echo $total;
出力結果は次のようになります。
1500
この場合、まず 1000 + 500 が計算され、その結果である 1500 が $total に代入されます。
文字列・数値・真偽値を代入できる
PHPでは、さまざまな種類の値を変数に代入できます。
$name = '佐藤';
$price = 1200;
$rate = 1.1;
$is_member = false;
それぞれ、次のような値です。
| 例 | 値の種類 |
|---|---|
'佐藤' | 文字列 |
1200 | 整数 |
1.1 | 小数 |
false | 真偽値 |
PHPでは変数を使うときに、変数名の前に $ を付けます。
$user_name = '山田';
echo $user_name;
出力結果は次のようになります。
山田
代入式そのものも値を持つ
PHPでは、代入式そのものも値を持ちます。
たとえば、次のような書き方ができます。
$a = ($b = 4) + 5;
echo $a;
echo $b;
この場合、$b = 4 の結果が 4 として扱われるため、$a には 4 + 5 の結果である 9 が代入されます。
$a // 9
$b // 4
ただし、このような書き方は少し読みにくくなります。
初心者向けのコードや、保守しやすいコードを書く場合は、次のように分けて書く方がわかりやすいです。
$b = 4;
$a = $b + 5;
PHPでは短く書けることも大切ですが、実務では読みやすさも非常に重要です。
複合代入演算子とは
計算しながら代入できる演算子
複合代入演算子とは、計算や文字列連結を行い、その結果を同じ変数に代入する演算子です。
たとえば、次のコードを見てください。
$count = 10;
$count = $count + 5;
このコードでは、$count に 5 を足して、その結果をもう一度 $count に代入しています。
これと同じ意味を、複合代入演算子を使って次のように書けます。
$count = 10;
$count += 5;
$count += 5; は、次のコードとほぼ同じ意味です。
$count = $count + 5;
つまり、+= は「加算して代入する」という意味です。
複合代入演算子を使うメリット
複合代入演算子を使うと、コードを短く書けます。
$total = $total + 1000;
このようなコードは、次のように書けます。
$total += 1000;
また、文字列を追加する場合も同じです。
$message = $message . '追加の文章';
これは、次のように書けます。
$message .= '追加の文章';
複合代入演算子は、合計金額の計算、カウント処理、文字列の追加、配列の結合などでよく使われます。
PHPの主な代入演算子一覧
よく使う代入演算子
PHPでよく使う代入演算子は、次の通りです。
| 演算子 | 名称 | 意味 | 例 |
|---|---|---|---|
= | 代入 | 右辺の値を左辺に代入する | $a = 10 |
+= | 加算代入 | 足した結果を代入する | $a += 5 |
-= | 減算代入 | 引いた結果を代入する | $a -= 5 |
*= | 乗算代入 | 掛けた結果を代入する | $a *= 2 |
/= | 除算代入 | 割った結果を代入する | $a /= 2 |
%= | 剰余代入 | 割った余りを代入する | $a %= 3 |
**= | 累乗代入 | 累乗した結果を代入する | $a **= 2 |
.= | 文字列連結代入 | 文字列を連結して代入する | $text .= 'です' |
??= | null合体代入 | 未定義またはnullの場合だけ代入する | $name ??= 'ゲスト' |
これらの中でも、初心者が最初に覚えたいのは =、+=、-=、.=、??= です。
特にPHPでWebサイト制作やWordPressカスタマイズを行う場合、文字列連結代入の .= や、初期値設定に使える ??= はよく見かけます。
ビット演算に関する代入演算子
PHPには、ビット演算に関する代入演算子もあります。
| 演算子 | 意味 |
|---|---|
&= | ビットANDして代入する |
| ` | =` |
^= | ビットXORして代入する |
<<= | 左シフトして代入する |
>>= | 右シフトして代入する |
通常のWeb制作やPHP初心者向けの学習では、これらの使用頻度はあまり高くありません。
まずは、基本の = や、計算に使う +=、文字列をつなげる .= を優先して覚えるとよいでしょう。
加算代入演算子「+=」
数値を足して代入する
+= は、現在の値に右側の値を足し、その結果を同じ変数に代入する演算子です。
$count = 10;
$count += 5;
echo $count;
出力結果は次のようになります。
15
これは、次のコードと同じ意味です。
$count = 10;
$count = $count + 5;
$count に 5 を足して、結果の 15 を再び $count に代入しています。
合計金額の計算に使える
+= は、合計金額を計算するときによく使われます。
$total = 0;
$total += 1000;
$total += 2500;
$total += 800;
echo $total;
出力結果は次のようになります。
4300
このように、複数の値を順番に足していく処理では、+= を使うとコードがすっきりします。
ショッピングカートの合計金額、スコアの加算、アクセス数の集計などでもよく使われます。
減算代入演算子「-=」
数値を引いて代入する
-= は、現在の値から右側の値を引き、その結果を同じ変数に代入する演算子です。
$stock = 20;
$stock -= 3;
echo $stock;
出力結果は次のようになります。
17
これは、次のコードと同じ意味です。
$stock = $stock - 3;
在庫数やポイントの計算に使える
-= は、在庫数やポイント残高などを減らす処理でよく使われます。
$point = 1000;
$point -= 300;
echo $point;
出力結果は次のようになります。
700
たとえば、ECサイトで商品が購入されたときに在庫数を減らす処理や、ポイント利用後の残高を計算する処理で使えます。
$stock = 50;
$order_quantity = 2;
$stock -= $order_quantity;
echo $stock;
出力結果は次のようになります。
48
乗算代入演算子「*=」
数値を掛けて代入する
*= は、現在の値に右側の値を掛け、その結果を同じ変数に代入する演算子です。
$price = 1000;
$price *= 2;
echo $price;
出力結果は次のようになります。
2000
これは、次のコードと同じ意味です。
$price = $price * 2;
税率や倍率の計算に使える
*= は、倍率をかける処理で使えます。
$price = 1000;
$price *= 1.1;
echo $price;
出力結果は、多くの場合、次のようになります。
1100
税込価格の計算や、割増料金の計算などに使えます。
ただし、金額計算で小数を扱う場合は注意が必要です。
小数を使った計算では、処理内容によって誤差が出ることがあります。
実務で金額を扱う場合は、必要に応じて round() などで丸め処理を行うと安全です。
$price = 1000;
$tax_rate = 1.1;
$tax_included = (int) round($price * $tax_rate);
echo $tax_included;
除算代入演算子「/=」
数値を割って代入する
/= は、現在の値を右側の値で割り、その結果を同じ変数に代入する演算子です。
$total = 3000;
$total /= 3;
echo $total;
出力結果は次のようになります。
1000
これは、次のコードと同じ意味です。
$total = $total / 3;
0で割らないように注意する
除算代入演算子を使うときは、右側の値が 0 にならないように注意が必要です。
$num = 10;
$num /= 0;
このように0で割ろうとすると、エラーや例外の原因になります。
実務では、割る前に0ではないかを確認しておくと安全です。
$total = 3000;
$count = 0;
if ($count !== 0) {
$average = $total / $count;
} else {
$average = 0;
}
echo $average;
平均値や単価を計算するときは、分母が0になる可能性を考慮しましょう。
剰余代入演算子「%=」
割った余りを代入する
%= は、割り算の余りを求め、その結果を同じ変数に代入する演算子です。
$num = 10;
$num %= 3;
echo $num;
出力結果は次のようになります。
1
これは、次のコードと同じ意味です。
$num = 10 % 3;
10 ÷ 3 は、商が 3、余りが 1 です。
そのため、$num には 1 が代入されます。
偶数・奇数の判定にも使われる
剰余演算子 % は、偶数・奇数の判定でよく使われます。
$number = 7;
if ($number % 2 === 0) {
echo '偶数です';
} else {
echo '奇数です';
}
この場合、7 を 2 で割った余りは 1 なので、出力結果は次のようになります。
奇数です
ただし、判定だけを行う場合は、%= ではなく % を使うことが多いです。
%= は、余りの結果を同じ変数に入れ直したい場合に使います。
累乗代入演算子「**=」
累乗した結果を代入する
**= は、累乗した結果を同じ変数に代入する演算子です。
$num = 3;
$num **= 2;
echo $num;
出力結果は次のようになります。
9
これは、次のコードと同じ意味です。
$num = $num ** 2;
つまり、3 の 2 乗なので、結果は 9 になります。
累乗計算を短く書ける
たとえば、次のような計算にも使えます。
$base = 2;
$base **= 3;
echo $base;
出力結果は次のようになります。
8
2 の 3 乗なので、8 になります。
通常のWeb制作では頻繁に使う演算子ではありませんが、計算処理を行う場合には覚えておくと便利です。
文字列連結代入演算子「.=」
文字列を追加して代入する
PHPでは、文字列を連結するときに . を使います。
$full_name = '山田' . '太郎';
echo $full_name;
出力結果は次のようになります。
山田太郎
すでにある文字列に、新しい文字列を追加したい場合は .= を使います。
$message = 'こんにちは';
$message .= '、田中さん';
echo $message;
出力結果は次のようになります。
こんにちは、田中さん
これは、次のコードと同じ意味です。
$message = $message . '、田中さん';
HTMLや文章を組み立てるときに使える
.= は、文章やHTMLを少しずつ組み立てるときにも使えます。
$html = '';
$html .= '<ul>';
$html .= '<li>りんご</li>';
$html .= '<li>みかん</li>';
$html .= '<li>バナナ</li>';
$html .= '</ul>';
echo $html;
このように、空の文字列に少しずつHTMLを追加していくことができます。
ただし、ユーザーが入力した内容をHTMLに出力する場合は注意が必要です。
$name = '<script>alert("XSS")</script>';
echo htmlspecialchars($name, ENT_QUOTES, 'UTF-8');
ユーザー入力をそのまま出力すると、XSSなどのセキュリティリスクにつながる場合があります。
必要に応じて htmlspecialchars() でエスケープ処理を行いましょう。
文字列連結に「+」は使わない
JavaScriptなどに慣れていると、文字列連結に + を使いたくなるかもしれません。
しかし、PHPでは文字列連結に + ではなく . を使います。
間違った例です。
$name = '田中';
$message = 'こんにちは' + $name;
正しい例です。
$name = '田中';
$message = 'こんにちは' . $name;
追加して代入する場合は、.= を使います。
$message = 'こんにちは';
$message .= '、田中さん';
echo $message;
PHPにおいて + は数値の加算に使う演算子です。
文字列をつなげる場合は、必ず . または .= を使いましょう。
null合体代入演算子「??=」
未定義またはnullの場合だけ代入する
??= は、左側の変数が未定義またはnullの場合だけ、右側の値を代入する演算子です。
$username ??= 'ゲスト';
echo $username;
もし $username が未定義、または null であれば、'ゲスト' が代入されます。
一方で、すでに値が入っている場合は上書きされません。
$username = '佐藤';
$username ??= 'ゲスト';
echo $username;
出力結果は次のようになります。
佐藤
$username にはすでに '佐藤' が入っているため、'ゲスト' には変更されません。
issetを使った処理に近い
??= は、次のような処理に近い書き方です。
if (!isset($username)) {
$username = 'ゲスト';
}
つまり、変数が存在しない、または null の場合だけ初期値を入れる処理を短く書けます。
$options = [];
$options['limit'] ??= 10;
$options['sort'] ??= 'desc';
print_r($options);
出力結果は次のようになります。
Array
(
[limit] => 10
[sort] => desc
)
配列の設定値に初期値を入れる処理などで便利です。
PHP 7.4以降で使える
??= は、PHP 7.4以降で使える演算子です。
そのため、古いPHP環境では使えない場合があります。
特にWordPressサイトやレンタルサーバーを使っている環境では、PHPのバージョンが古いままになっていることもあります。
??= を使う場合は、サーバーのPHPバージョンを確認しておくと安心です。
古いPHP環境にも対応したい場合は、次のように isset() を使って書く方法もあります。
if (!isset($username)) {
$username = 'ゲスト';
}
配列で使う代入演算子
配列のキーに値を代入する
PHPでは、配列のキーに対して値を代入できます。
$user = [];
$user['name'] = '田中';
$user['age'] = 30;
$user['email'] = 'tanaka@example.com';
print_r($user);
出力結果は次のようになります。
Array
(
[name] => 田中
[age] => 30
[email] => tanaka@example.com
)
このように、配列のキーを指定して値を入れると、連想配列を作れます。
配列の末尾に要素を追加する
配列の末尾に要素を追加したい場合は、次のように書けます。
$fruits = [];
$fruits[] = 'りんご';
$fruits[] = 'みかん';
$fruits[] = 'バナナ';
print_r($fruits);
出力結果は次のようになります。
Array
(
[0] => りんご
[1] => みかん
[2] => バナナ
)
$fruits[] = 'りんご'; のように書くと、配列の末尾に新しい要素を追加できます。
配列に対する「+=」は配列結合になる
数値に対する += は加算代入ですが、配列に対して使うと配列の結合として動作します。
$a = ['name' => '田中'];
$b = ['age' => 30];
$a += $b;
print_r($a);
出力結果は次のようになります。
Array
(
[name] => 田中
[age] => 30
)
このように、右側の配列の要素が左側の配列に追加されます。
同じキーがある場合は左側が優先される
配列に対して += を使う場合、同じキーがあると左側の配列の値が優先されます。
$a = ['name' => '田中', 'age' => 25];
$b = ['age' => 30, 'email' => 'test@example.com'];
$a += $b;
print_r($a);
出力結果は次のようになります。
Array
(
[name] => 田中
[age] => 25
[email] => test@example.com
)
age は $a 側にすでに存在しているため、$b の age => 30 では上書きされません。
これは array_merge() とは挙動が異なります。
配列を結合するときは、+= と array_merge() の違いに注意しましょう。
参照代入「=&」
同じ値を参照するようにする
PHPには、通常の代入とは別に、参照代入があります。
参照代入では =& を使います。
$a = 10;
$b =& $a;
$b = 20;
echo $a;
出力結果は次のようになります。
20
通常の代入であれば、$b を変更しても $a は変わりません。
しかし、参照代入を使うと、$a と $b が同じ値を参照するようになります。
そのため、$b を変更すると $a の値も変わります。
通常の代入との違い
通常の代入では、片方を変更しても、もう片方が自動的に変わるわけではありません。
$a = 10;
$b = $a;
$b = 20;
echo $a;
出力結果は次のようになります。
10
一方、参照代入では次のようになります。
$a = 10;
$b =& $a;
$b = 20;
echo $a;
出力結果は次のようになります。
20
参照代入は便利な場面もありますが、意図しない値の変更につながることがあります。
初心者のうちは、必要な理由が明確な場合だけ使うのがおすすめです。
通常の代入と値の扱い
通常の代入では片方を変更してももう片方は変わらない
通常の変数同士の代入では、片方を変更しても、もう片方の値が自動的に変わるわけではありません。
$a = 10;
$b = $a;
$b = 20;
echo $a;
echo $b;
この場合、出力される値は次のようになります。
10
20
$b = $a; としても、その後に $b を変更しただけでは $a は変わりません。
配列でも基本的な考え方は同じ
配列でも、通常の代入では片方を変更しても、もう片方が自動的に変わるわけではありません。
$array1 = [1, 2, 3];
$array2 = $array1;
$array2[] = 4;
print_r($array1);
print_r($array2);
出力結果は次のようになります。
Array
(
[0] => 1
[1] => 2
[2] => 3
)
Array
(
[0] => 1
[1] => 2
[2] => 3
[3] => 4
)
$array2 に 4 を追加しても、$array1 はそのままです。
PHP内部では効率化のためにcopy-on-writeという仕組みが使われますが、通常のコードを書くうえでは「片方を変更しても、もう片方は変わらない」と理解して問題ありません。
代入演算子と比較演算子の違い
「=」は代入に使う
PHP初心者が間違えやすいのが、=、==、=== の違いです。
= は代入に使います。
$a = 10;
これは、$a に 10 を入れる処理です。
「==」は値が等しいか比較する
== は、値が等しいかどうかを比較する演算子です。
$a = '10';
var_dump($a == 10);
出力結果は次のようになります。
bool(true)
$a は文字列の '10' ですが、10 は整数です。
== は型を厳密に見ずに比較するため、この場合は true になります。
「===」は値と型が等しいか比較する
=== は、値だけでなく型も含めて比較する演算子です。
$a = '10';
var_dump($a === 10);
出力結果は次のようになります。
bool(false)
文字列の '10' と整数の 10 は、値としては似ていますが型が異なります。
そのため、=== では false になります。
実務では、意図しない型変換を避けるために、条件分岐では === を使うことが多いです。
if文の中で代入してしまうミスに注意
比較のつもりで「=」を書かない
PHPでは、if文の中でも代入を書くことができます。
そのため、比較のつもりで = を書いてしまうと、意図しない動きになることがあります。
間違った例です。
$status = 'inactive';
if ($status = 'active') {
echo '有効です';
}
このコードは、$status が 'active' かどうかを比較しているわけではありません。
実際には、if文の中で次の代入が行われています。
$status = 'active'
その結果、条件が成立してしまいます。
比較するときは「===」を使う
比較したい場合は、= ではなく === を使います。
$status = 'inactive';
if ($status === 'active') {
echo '有効です';
} else {
echo '無効です';
}
この場合、$status は 'inactive' なので、出力結果は次のようになります。
無効です
= は代入、=== は比較です。
この違いを理解しておくと、PHPの条件分岐でのミスを減らせます。
代入演算子の優先順位
計算は優先順位に従って処理される
PHPの演算子には優先順位があります。
たとえば、次のコードを見てください。
$a = 10 + 5 * 2;
echo $a;
出力結果は次のようになります。
20
これは、10 + 5 が先に計算されるのではなく、5 * 2 が先に計算されるためです。
$a = 10 + (5 * 2);
という意味になります。
わかりにくい場合は括弧を使う
計算の順番がわかりにくい場合は、括弧を使うと読みやすくなります。
$a = (10 + 5) * 2;
echo $a;
出力結果は次のようになります。
30
括弧を使うことで、どの計算を先に行うのかが明確になります。
代入演算子や複合代入演算子を使う場合も、複雑な式にしすぎると読みにくくなります。
実務では、無理に1行で書かず、必要に応じて処理を分けるのがおすすめです。
代入演算子の実用例
カートの合計金額を計算する
代入演算子は、ECサイトのカート金額を計算するような場面で使えます。
$total = 0;
$total += 1200;
$total += 800;
$total += 2500;
echo '合計金額は' . $total . '円です';
出力結果は次のようになります。
合計金額は4500円です
+= を使うことで、金額を順番に足していく処理をわかりやすく書けます。
メッセージ文を組み立てる
.= を使うと、メッセージ文を少しずつ追加できます。
$message = '';
$message .= 'ご注文ありがとうございます。';
$message .= '発送準備が完了しました。';
$message .= '到着までしばらくお待ちください。';
echo $message;
出力結果は次のようになります。
ご注文ありがとうございます。発送準備が完了しました。到着までしばらくお待ちください。
メール本文やHTMLの一部を組み立てるときにも使えます。
設定値に初期値を入れる
??= を使うと、値がない場合だけ初期値を入れられます。
$config = [];
$config['items_per_page'] ??= 20;
$config['sort_order'] ??= 'desc';
print_r($config);
出力結果は次のようになります。
Array
(
[items_per_page] => 20
[sort_order] => desc
)
すでに値が入っている場合は上書きされないため、設定値の初期化に便利です。
カウント処理を書く
アクセス数や処理回数を数える場合にも、代入演算子を使えます。
$count = 0;
$count += 1;
$count += 1;
$count += 1;
echo $count;
出力結果は次のようになります。
3
1ずつ増やすだけであれば、インクリメント演算子を使うこともあります。
$count++;
ただし、+= を使うと、1以外の数値を加算したい場合にも対応しやすくなります。
$count += 5;
PHP初心者がまず覚えるべき代入演算子
最初は使用頻度の高いものから覚える
PHPの代入演算子は多くありますが、最初からすべてを完璧に覚える必要はありません。
まずは、次の演算子を優先して覚えましょう。
| 演算子 | 用途 | 優先度 |
|---|---|---|
= | 値を代入する | 高 |
+= | 数値を加算して代入する | 高 |
-= | 数値を減算して代入する | 中 |
.= | 文字列を連結して代入する | 高 |
??= | 値がない場合だけ初期値を代入する | 中 |
特に = は、PHPの変数操作で必ず使います。
また、.= はPHPで文字列を組み立てるときによく使うため、早めに覚えておくとコードが読みやすくなります。
WordPressやWeb制作でよく見る演算子
WordPressのテーマ制作やPHPを使ったWeb制作では、次のような演算子を見かけることがあります。
$title = '記事タイトル';
$html .= '<div class="post">';
$count += 1;
$options['limit'] ??= 10;
このように、PHPでは変数に値を入れたり、HTMLを組み立てたり、カウントしたり、初期値を設定したりする場面で代入演算子が使われます。
最初は難しく見えるかもしれませんが、用途ごとに整理して覚えると理解しやすくなります。
代入演算子でよくあるミス
「=」と「===」を間違える
もっとも多いミスのひとつが、比較のつもりで = を使ってしまうことです。
間違った例です。
if ($role = 'admin') {
echo '管理者です';
}
正しい例です。
if ($role === 'admin') {
echo '管理者です';
}
= は代入、=== は比較です。
if文の条件では、比較したいのか、代入したいのかをしっかり確認しましょう。
文字列連結で「+」を使う
PHPでは、文字列連結に + を使いません。
間違った例です。
$name = '田中';
$message = 'こんにちは' + $name;
正しい例です。
$name = '田中';
$message = 'こんにちは' . $name;
PHPの文字列連結は . です。
追加しながら代入する場合は .= を使います。
$message = 'こんにちは';
$message .= '、田中さん';
null合体代入と通常の代入を混同する
= と ??= は、動きが異なります。
= は、右側の値で必ず上書きします。
$name = '佐藤';
$name = 'ゲスト';
echo $name;
出力結果は次のようになります。
ゲスト
一方、??= は、左側が未定義またはnullの場合だけ代入します。
$name = '佐藤';
$name ??= 'ゲスト';
echo $name;
出力結果は次のようになります。
佐藤
すでに値が入っている場合は上書きされません。
初期値を入れたいのか、必ず値を上書きしたいのかによって、使う演算子を選びましょう。
参照代入を不用意に使う
参照代入 =& は、2つの変数が同じ値を参照するようになる特殊な代入です。
$a = 10;
$b =& $a;
$b = 20;
echo $a;
出力結果は次のようになります。
20
意図して使えば便利ですが、不用意に使うと、思わぬ場所で値が変わってしまうことがあります。
初心者のうちは、通常の代入 = と参照代入 =& を混同しないようにしましょう。
まとめ
PHPの代入演算子は変数に値を入れるための基本文法
PHPの代入演算子は、変数に値を入れたり、計算結果を保存したり、文字列を追加したりするために使います。
もっとも基本的な代入演算子は = です。
$a = 10;
これは、「$a に 10 を代入する」という意味です。
= は「等しい」という意味ではないため、比較演算子の == や === と混同しないようにしましょう。
複合代入演算子を使うとコードを短く書ける
+=、-=、*=、/=、.= などの複合代入演算子を使うと、計算や文字列連結をしながら代入できます。
$count += 1;
$message .= '追加の文章';
+= は数値の加算、.= は文字列の追加でよく使われます。
また、??= は、変数や配列キーが未定義またはnullの場合だけ初期値を入れられる便利な演算子です。
$username ??= 'ゲスト';
ただし、??= はPHP 7.4以降で使える演算子なので、古い環境では注意が必要です。
PHPの代入演算子を理解すると、変数の扱い、計算処理、文字列連結、配列操作などが読みやすくなります。
まずは =、+=、.=、??= の使い方から覚えていくとよいでしょう。
以上、PHPの代入演算子についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










