SES(システムエンジニアリングサービス)として働く中で、「このままでいいのだろうか」「自分は成長できているのか」と不安を感じる人は少なくありません。
特に1〜3年ほど経験を積んだタイミングで、将来のキャリアに疑問を持ち始めるケースが多く見られます。
ただし、「SESを抜けたい」という感情だけで動くと、結果的に同じような環境に戻ってしまうことも珍しくありません。
重要なのは、SESという働き方を正しく理解したうえで、自分にとって現実的な次の一手を選ぶことです。
まず整理すべき「SESを抜けたい理由」
最初にやるべきなのは、「なぜSESを抜けたいのか」を言語化することです。
ここが曖昧なままだと、転職しても不満の本質が解消されない可能性があります。
よくある理由としては、次のようなものがあります。
- 配属される現場によって、経験できる内容に大きな差がある
- 実装や運用中心で、設計や要件定義に関われないことが多い
- 自社に技術的な蓄積がなく、キャリアの軸が作りにくい
- 評価基準が見えにくく、給与が上がりづらい
- 「自分は何ができるエンジニアなのか」を説明しづらい
ここで注意したいのは、これらは「SESという仕組みそのものの問題」というより、「案件や会社の性質によって起こりやすい問題」だという点です。
実際、SESであっても設計や上流工程に関われる案件は存在します。
ただし、若手や経験の浅いエンジニアが配属されやすい案件は、どうしても実装・運用中心になりやすく、結果として成長実感を得にくくなります。
SESからの代表的なキャリアパターン
SESから抜ける、というと「SES以外ならどこでもいい」と考えてしまいがちですが、進路によって求められる準備や難易度は大きく異なります。
受託開発会社へ転職する
SES経験者にとって、最も現実的な選択肢の一つです。
- 自社内でチーム開発を行うケースが多い
- 設計・レビュー・テストなど開発プロセスを一通り経験できる可能性がある
- SESからの転職実績が多い会社も多い
ただし注意点もあります。
「受託開発」と言いながら、実態は客先常駐が中心だったり、ラボ型開発で指揮命令が外部にあるケースも存在します。
そのため、「SESか受託か」というラベルではなく、実際の働き方(常駐比率・持ち帰り案件の有無)を見ることが重要です。
Web系の自社開発企業へ転職する
自社サービスを持つ企業での開発は、長期的にプロダクトを育てる経験ができ、魅力的に映ります。
- 技術スタックが比較的モダン
- 改善・運用・ユーザー視点の開発に関われる
- 成長すれば裁量や年収が大きく伸びる可能性がある
一方で、SES経験のみだと次の点が弱く見られやすいのも事実です。
- 設計意図や技術選定理由を説明する力
- テスト・運用・改善まで含めた開発経験
- 自走力(指示がなくても考えて動けるか)
そのため、必須とまでは言えないものの、個人開発やポートフォリオがあると評価されやすいのは現実です。
社内SEへ転職する
常駐から離れ、安定した働き方を求める場合の選択肢です。
- 勤務先が固定される
- ワークライフバランスは改善しやすい
- 業務知識や調整力が身につく
ただし、技術的な成長は会社の方針に大きく依存します。
運用やベンダーコントロールが中心になる場合、エンジニアとしての市場価値を高めにくいケースもあります。
フリーランスになる
「SESを辞めたい=フリーランス」という発想は危険です。
- 実装だけでなく、設計・要件整理・自己管理が求められる
- 成果を説明できないと単価が上がらない
- 準備不足だと、結局SES的な案件を渡り歩くことになる
フリーランスは、自走できる力が身についてから検討すべき選択肢です。
SESから抜けるためにやるべきこと
スキルと経験の棚卸しをする
年数ではなく、「何ができるか」で整理します。
- 扱える言語・フレームワーク
- 経験した工程(設計・実装・テスト・運用など)
- 自分が工夫した点、改善した点
「指示された通りに作りました」ではなく、なぜそう実装したのかを説明できる状態を目指します。
SESの現場でも“考える習慣”を持つ
環境がすぐに変えられなくても、できることはあります。
- 実装の意図を自分なりに言語化する
- 仕様書や設計書を「作る側の視点」で読む
- 可能であればレビューや改善提案に関わる
SESの最大の落とし穴は、考えなくても仕事が回ってしまうことです。
個人開発・ポートフォリオで補強する
特にWeb系や自社開発を目指す場合、有効な手段です。
- CRUDだけで終わらせない
- 認証、エラーハンドリング、テストなどを取り入れる
- 技術選定理由を説明できるようにする
完成度よりも、思考プロセスが伝わることが重要です。
SES経験は無駄ではない
SES経験には、次のような強みもあります。
- 他人のコードを読む力
- 多様な現場や業務システムを見た経験
- 実務のスピード感や制約への耐性
これらは、受託開発や自社開発に移ったあとに活きることも多くあります。
重要なのは、「SESだったからダメ」ではなく、SESで何を考え、何を学んだかを語れるかどうかです。
まとめ
SESから抜け出すこと自体がゴールではありません。
本当に大切なのは、
- 自分がどんなエンジニアになりたいのか
- そのために今、何を積み上げるべきか
を理解したうえで、次の環境を選ぶことです。
焦らず、しかし受け身にならず、自分のキャリアを自分で設計する意識を持つことが、SES脱出の一番の近道です。
以上、SESから抜け出すにはどうすればいいのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










