SESの3年目について

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SES(システムエンジニアリングサービス)における3年目は、エンジニアとしての立場や今後の方向性を考え始める人が増えるタイミングです。

ただし、SESは案件内容・工程・体制・会社制度による差が非常に大きく、「3年目はこうあるべき」と一概に言い切ることはできません。

そこで本記事では、よく語られがちな理想論や断定を避けつつ、「実際に起こりやすい傾向」と「3年目に意識しておきたい現実」を整理して解説します。

目次

SES3年目の立ち位置・見られ方

SES3年目になると、多くの現場で「新人」という扱いからは外れやすくなります。

特に開発案件では、

  • 基本的な業務フローを理解している
  • 作業手順を毎回細かく説明されなくても動ける
  • 調査・修正・テストを一定範囲で完結できる

といった“ある程度の自立”が期待されることが増えてきます。

ただし、この期待値は以下の要因によって大きく変わります。

  • 参画している工程(開発/保守/運用/テスト)
  • チーム規模や体制(元請・二次請・三次請)
  • 現場の人員不足・余裕度

そのため、「3年目だから必ずこうしなければならない」というよりも、「新人枠から外れやすくなる時期」と捉えるのが現実的です。

スキル面:3年目で“できると評価されやすいこと”

開発系(Web・業務システムなど)の場合

3年目で評価されやすいのは、次のようなスキルです。

  • 既存コードを読んで内容を把握できる
  • 軽微〜中規模な修正や機能追加を担当できる
  • エラーや不具合発生時に、原因の切り分けを行える
  • 実装〜テストまでの流れを理解している

設計書の作成や上流工程については、案件によって経験できないケースも多いため必須ではありませんが、触れている場合は市場評価が上がりやすくなります。

インフラ系の場合

  • サーバー設定や環境構築の一部を任される
  • 障害発生時にログ確認や一次対応ができる
  • クラウド(AWSなど)の基本サービスを理解している

といった経験があると、3年目としては評価されやすい傾向にあります。

注意点:「できていない=即NG」ではない

よく言われる以下のような状態は、確かに成長しづらくなりがちです。

  • 常に指示待ちで、自分から調べない
  • エラー対応をすぐ他人に任せてしまう
  • 作業内容を説明できない

ただし、SESでは運用・保守・定型作業が中心の案件も多く、そうした現場では「正確さ」「手順遵守」が評価されることもあります。

重要なのは、

  • 現場評価だけを見るのか
  • 将来的な転職市場での評価も意識するのか

という視点の違いです。

後者を意識するなら、「説明できるスキル」を意識的に身につける必要があります。

単価・年収についての現実的な整理

SES3年目の単価や年収は、非常に振れ幅が大きいのが実情です。

影響する主な要素は以下の通りです。

  • 職種(開発/インフラ/運用)
  • 担当工程(設計・実装・テストなど)
  • 技術領域(クラウド、モダンFWなど)
  • 地域(首都圏か地方か)
  • 会社の給与制度・還元率

そのため、

  • 単価が上がっても給与がほとんど変わらない
  • 現場評価と社内評価が一致しない

といったケースも珍しくありません。

「3年目ならこの年収・この単価」と断定するのではなく、条件次第で大きく変わるという前提で考える必要があります。

SES3年目で考え始める人が多い分岐点

3年目は、多くの人が次のようなことを意識し始めます。

  • このままSESを続けるべきか
  • より開発寄り・上流寄りの案件に行けないか
  • 自社開発・受託開発への転職は可能か
  • フリーランスという選択肢は現実的か

ただし、3年目が必ず分岐点になるわけではありません

案件や環境が変われば、4〜5年目でも大きく成長することはあります。

一方で、流れに任せ続けると経験が偏りやすいのも事実です。

転職市場での「3年目」の見られ方

転職市場では、「実務経験3年」という数字自体は、話を聞いてもらいやすくなるラインであることは確かです。

ただし評価されるのは年数ではなく、

  • どんな技術を
  • どの工程で
  • どの程度の裁量で使っていたか

という中身です。

  • 3年でも運用・テスト中心なら評価は限定的
  • 2年でも開発の主担当経験があれば高評価

というケースは普通にあります。

3年目で意識しておくと強い行動

SESという環境を踏まえると、次の行動は特に重要です。

スキル・経験の棚卸し

  • 使える技術
  • 担当工程
  • 一人で完結できる範囲

を整理し、職務経歴として説明できる状態にする。

小さくても「主担当」を経験する

  • 機能単位
  • 画面単位
  • サーバー1台

など、責任範囲を持つ経験は市場価値に直結します。

数年先を見据えて案件・環境を選ぶ

「今の現場が楽かどうか」だけでなく、次の選択肢につながるかという視点を持つことが重要です。

まとめ

SESの3年目は、

  • 新人扱いから外れやすくなる時期であり
  • 期待値・評価・年収は案件や会社で大きく変わり
  • 将来を意識するかどうかで、その後の差が開きやすい

という特徴があります。

「3年目だからこうあるべき」と考えるよりも、自分の現在地を正確に把握し、次に何を積むかを意識することが最も重要です。

以上、SESの3年目についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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