SES(システムエンジニアリングサービス)については、「教育を受ける機会がほとんどない」「現場に放り込まれるだけ」というイメージを持たれることがあります。
しかし実際には、SES=教育がないと一括りにするのは正確ではありません。
結論から言うと、SESでも教育機会は存在するが、会社や案件によって差が非常に大きいというのが実態に近い表現です。
以下では、その理由と背景を整理しつつ、「教育があるSES」と「そうでないSES」を見分ける視点まで解説します。
SESで教育が薄くなりやすいと言われる理由(構造的背景)
教育期間が売上に直結しにくいビジネス構造
SESは、エンジニアが顧客先で業務を行うことで対価を得るモデルです。
そのため、多くの会社では、
- 現場に出ていない期間は稼働売上が発生しにくい
- 研修期間は会社側にとってコストになりやすい
という側面があります。
この結果、自社内で長期かつ体系的な教育を行う余裕が小さい会社も一定数存在します。
ただし、すべてのSES企業が教育を軽視しているわけではなく、教育コストを前提に事業設計している会社もあります。
教育が「会社」ではなく「配属先」に依存しやすい
SESでは、日常業務の大半を客先のプロジェクトで行います。
そのため、
- OJTの内容や質
- 教えてもらえるかどうか
- 成長につながるタスクが与えられるか
といった点が、配属される現場の体制や文化に大きく左右される傾向があります。
このため、教育が制度として均一に提供されるのではなく、属人的・環境依存になりやすい点が、「SESは教育がない」と言われる一因になっています。
案件によっては育成を前提としていない場合もある
SESに求められる役割は案件ごとに異なり、
- 定型的な運用・監視
- 手順書に沿った作業
- 限定的な工程のみの担当
といった業務が中心になるケースもあります。
これらの業務自体が必ずしも悪いわけではありませんが、改善・設計・自動化などに広がらず、同じ作業に固定される状態が続くと、スキルの積み上げが難しくなることがあります。
実際には「教育機会があるSES」も存在する
一方で、SESでも以下のような形で教育機会を確保している会社は存在します。
自社研修を一定期間設けている
- 入社後に基礎研修(IT基礎、言語、インフラ、クラウド等)を行う
- 研修後に案件へ配属する流れが整理されている
- 研修内容が実務とつながっている
このような会社は、少なくとも人材育成を事業上の投資として考えている可能性が高いと言えます。
チーム常駐や育成前提の案件を持っている
- 先輩社員とセットで配属される
- 特定の取引先と長期的な関係があり、若手育成に理解がある
- 社員が一人で孤立しない体制がある
こうした環境では、OJTが機能しやすく、学習と実務が結びつきやすくなります。
学習支援制度が「運用」されている
資格取得支援、学習教材補助、勉強会などの制度自体は多くの会社が掲げています。
重要なのは、制度が実際に使われているか、成果につながっているかです。
教育があるSESとそうでないSESの決定的な違い
最も大きな違いは、教育・案件・キャリアが一連の流れとして設計されているかどうかです。
教育があるSESでは、
- 何を学ばせるのか
- それをどの案件で使わせるのか
- 次にどんな役割へ進ませるのか
が、ある程度具体的に説明できます。
一方で、教育が弱いSESでは、
- 「まずは現場に入ってから考える」
- 「案件はタイミング次第」
- 「本人の努力次第」
といった説明に終始しがちです。
見極めるために確認すべきポイント
「教育があります」という言葉だけでは判断できないため、以下のような具体的な質問が有効です。
- 直近で入社した若手は、どんな研修を受け、どんな案件に配属されたか
- 最初の案件はどのように決まるのか
- チーム常駐と一人常駐の割合
- 成長が見込めない場合、案件変更の実績はあるか
具体例が数字や事例で返ってくるかどうかが、実態を見抜くポイントになります。
まとめ
- SESでも教育機会は存在する
- ただし、会社・案件による差が非常に大きい
- 問題は「SESかどうか」ではなく、「成長につながる環境かどうか」
- 教育制度だけでなく、配属実績・案件変更の柔軟性まで含めて見ることが重要
SESは一律に良い・悪いと判断できるものではなく、見極めが必要な働き方です。
正しい視点で選べば、実務経験を積みながら成長できる環境になる可能性も十分にあります。
以上、SESは教育を受ける機会はないのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










