SESの給料の限界について

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SES(System Engineering Service)の給料が「あるところで伸びにくくなる」「頭打ちになりやすい」と言われるのは、個人の能力不足というより、SESというビジネスモデルそのものが“上限を作りやすい構造”を持っているためです。

ここでは、

  • なぜSESでは給料の限界が生まれやすいのか
  • 一般的にどのあたりで伸びが鈍りやすいのか
  • その限界を超えるには何を変える必要があるのか

を事実関係に配慮しながら整理します。

目次

SESの給料は「会社が受け取る人月単価」に強く依存する

SESの給与原資は、基本的にあなた個人が常駐先で生み出している「人月単価」です。

仕組みを簡略化すると、次の流れになります。

  • エンド企業(または元請)が、SES会社に対して
     「このエンジニアを月◯万円で使う」という契約を結ぶ
  • SES会社は、その金額から
     - 給与
     - 社会保険の会社負担
     - 交通費
     - 待機リスク
     - 営業・管理コスト
     - 会社利益
     を差し引いて、社員に給与を支払う

つまり、どれだけ頑張っても「人月単価以上の原資」は発生しません

この点が、成果が直接売上になる受託開発や自社プロダクトと大きく異なる部分です。

「還元率」と「商流」が、給料の伸びを大きく左右する

還元率の影響

同じ人月単価でも、会社ごとに社員へ回す割合(還元の考え方)は異なります。

  • 管理部門や固定費が大きい会社
  • 利益率を高く設定している会社
  • 待機保証・福利厚生を厚くしている会社

では、単価が上がっても給与に反映されにくいことがあります。

一方で、高還元を売りにするSESでは、単価上昇が比較的ダイレクトに給料へ反映されますが、その分、

  • 教育制度が薄い
  • 待機時の保証が弱い
  • 会社サポートが限定的

といったトレードオフがある場合もあります。

商流(多重下請け)の影響

SES業界では、エンド → 元請 → 二次 → 三次 …というように、契約が多層化するケースも珍しくありません。

商流が深くなるほど、途中でマージンが差し引かれるため、

  • エンドから見た価値は同じ
  • しかし、自社に落ちてくる人月単価は低い

という状態が起こります。

これは個人の努力では変えにくい構造的制約であり、SESの給料が頭打ちになりやすい最大の要因の一つです。

人月単価の「相場感」と、そこから見える年収の上限

SESの人月単価については、公的統計が存在しないため、以下はあくまで業界記事・案件情報などから語られる一般的な相場感です。

  • 開発・インフラなどの実務レベル
     → 月60万〜90万円前後
  • 設計・リーダー・上級SE
     → 月80万〜120万円前後
  • PM・高度専門領域
     → 月100万超の案件も存在するが、一般的とは言い切れない

ここで重要なのは、「上振れの存在」と「多数派」を混同しないことです。

月120万円以上の案件は確かに存在しますが、SES正社員として誰もが到達できる標準的レンジではありません。

単価から年収を考えると、限界が見えやすい

あくまで説明用の仮定ですが、例えば以下のようになります。

  • 人月単価:80万円
  • 給与原資に回せる割合:60%
    → 月給換算:約48万円
    → 年収:約570〜600万円前後(賞与込み)
  • 人月単価:100万円
    → 月給換算:約60万円
    → 年収:約700万円前後

このように、人月単価が一定水準を超えない限り、年収もある程度で天井が見えてくる構造になっています。

SESで「給料が伸びにくくなるライン」

個人差・会社差はありますが、実態として多く聞かれるのは、

  • 年収500〜700万円あたりで伸びが鈍化する
  • それ以上は「役割・商流・会社選び」で明確に分岐する

というゾーンです。

これは「能力が足りないから」ではなく、

  • 人月単価の上限
  • 商流の制約
  • 給与制度の設計

が重なった結果として生じやすいラインだと考えるのが妥当です。

SESの限界を超えられる人の共通点

SESで年収の天井を押し上げている人は、次のいずれか(または複数)を満たしています。

  • 商流が浅い環境にいる
     (元請・エンド直に近い案件が多い)
  • 単価が上がりやすい役割を担っている
     (設計、技術選定、PM、専門領域)
  • 単価連動型・高還元の会社にいる
     (ただし条件の見極めが必要)
  • SESを踏み台にして別の形態へ移行している
     (自社開発、事業会社、コンサル、フリーランスなど)

まとめ:SESの給料の限界は「個人の限界」ではない

SESの給料が頭打ちになりやすいのは、

  • 給与原資が人月単価に固定される
  • 商流と還元率が個人では制御しにくい
  • 評価が成果より契約維持に寄りやすい

というモデル上の制約があるためです。

だからこそ重要なのは、

  • 自分の人月単価と商流を把握する
  • 単価が上がる役割・環境に寄せる
  • 変えられない構造は「会社・立場」を変える

という視点でキャリアを設計することです。

SESは「詰み」ではありませんが、無自覚でいると天井にぶつかりやすい

逆に言えば、構造を理解したうえで動けば、次の選択肢を現実的に描ける業態でもあります。

以上、SESの給料の限界についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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