SESエンジニアが評価されにくい理由について

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SESエンジニアはしばしば「評価されにくい」「正当に見られない」と言われることがあります。

しかし、この問題はエンジニア個人の努力不足や技術力の低さではなく、SESという働き方が持つ構造的な特性によって生じやすい側面が大きいのが実情です。

本記事では、感情論や極端なSES批判ではなく、なぜ評価が難しくなりやすいのかを、制度・現場・評価プロセスの観点から整理します。

目次

前提:SESは「契約形態」であり、働き方は一様ではない

一般にSESと呼ばれる働き方は、法的には以下が混在しています。

  • 準委任契約(最も多い)
  • 労働者派遣
  • 請負(成果物責任があるケース)

実務上は準委任であっても、

  • 現場から直接指示を受ける
  • 常駐に近い働き方になる

など、派遣に近い運用が行われるケースもあります。

そのため、以下で述べる内容は

「すべてのSESに当てはまる」
のではなく、
「そうなりやすい構造・傾向がある」
という前提で読み進めてください。

客先常駐により、評価者が仕事の実態を把握しにくくなる

SESでは、多くの場合エンジニアは自社ではなくクライアント先で業務を行います。

この構造上、

  • 自社の上司が日常的に働きぶりを見られない
  • 評価材料が稼働報告・営業経由の情報に偏りやすい
  • 工夫や技術的貢献が可視化されにくい

といった状況が生まれやすくなります。

もちろん、

  • 定期的な1on1
  • 顧客からの定量評価
  • 技術レビュー制度

を整えている会社もありますが、仕組みが弱い場合は評価が間接化しやすいのは否定できません。

成果が「個人」ではなく「現場・チーム」に帰属しやすい

SESエンジニアの成果は、通常

  • クライアント企業のプロダクト
  • 元請・二次請の成果物
  • チーム単位のアウトプット

として扱われます。

そのため、

  • 誰が設計したのか
  • 誰が改善したのか
  • 誰がトラブルを未然に防いだのか

といった個人の貢献が表に出にくい現場では、評価に結びつきにくくなります。

特に、

  • 調整役
  • 裏方で品質を支える役割

を担うエンジニアほど、重要な仕事ほど評価されにくいという逆説が起こることもあります。

技術力より「年数」や「参画実績」が評価指標になりやすい

SES業界では、評価や単価交渉の際に

  • ○○経験◯年
  • 大手案件への参画実績
  • 常駐期間の長さ

といった定量化しやすい指標が使われることがあります。

しかし実際には、

  • 同じ3年でも経験の中身は大きく異なる
  • 設計・改善を担う3年と、指示対応中心の3年は別物

です。

それにもかかわらず、評価制度が成熟していない場合、「年数」という分かりやすい指標に寄ってしまい、成長密度の高いエンジニアほど評価が追いつかないことがあります。

クライアント評価が自社評価に正確に反映されにくい

現場で評価されていても、

  • クライアント
  • 営業
  • 自社評価者

という経路を通る中で、

  • 表現が抽象化される
  • 温度感が薄まる
  • 昇給・昇格に結びつかない

といったケースは少なくありません。

特に、

  • 外部人員を強く評価する文化がない現場
  • 「問題がない=良い」という評価基準の現場

では、評価コメントが無難になりがちで、個人の強みが埋もれやすくなります

案件都合がキャリア形成に影響しやすい

SESでは、

  • 本人の志向
  • 積みたい技術経験

よりも、

  • 空いている案件
  • 商流や単価条件

が優先される会社も存在します。

その結果、

  • キャリア戦略と一致しない案件に長期参画
  • スキルが横に広がらない
  • 自分の強みを説明しにくくなる

といった問題が生じることがあります。

もちろん、案件選択制度を整えているSES企業も増えていますが、会社ごとの差が大きい点には注意が必要です。

「SES=下流」という先入観が評価に影響する場合がある

事実として、

  • SES=指示通り作業する人
  • SES=意思決定に関われない

というイメージを持たれるケースは存在します。

これは必ずしも実態を反映していませんが、採用市場や評価の場面で先入観として影響することがあるのは否定できません。

特に、SESでも上流工程や専門領域を担ってきた場合、その実績を言語化しないと正しく評価されにくいという課題があります。

評価されにくい=価値が低い、ではない

重要なのは、

SESエンジニアが評価されにくい場合があるのは、
個人の能力ではなく、評価構造や制度の問題であることが多い

という点です。

評価されやすい人は必ずしも能力が高いわけではなく、

  • 成果が可視化されやすい
  • 評価者が技術を理解している
  • 役割と責任が明確

といった環境要因に恵まれているケースも少なくありません。

まとめ

SESエンジニアが評価されにくいと言われる背景には、

  • 客先常駐による可視性の低さ
  • 成果の個人帰属の難しさ
  • 年数・実績偏重の評価制度
  • 案件都合が強いキャリア形成
  • 業界イメージによる先入観

といった複合的な構造要因があります。

これはSESそのものが悪いという話ではなく、評価と成長を成立させる仕組みがない場合に問題が顕在化しやすいという話です。

以上、SESエンジニアが評価されにくい理由についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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