SESは休日出勤するのか

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SES(システムエンジニアリングサービス)で働く場合、休日出勤はあるのか、どの程度発生するのかは非常に気になるポイントです。

結論から言えば、SESでも休日出勤が発生することはあるものの、常態化しているわけではなく、案件や業界、フェーズによって大きく異なります。

ただし、SESは

  • 雇用主
  • 勤務先
  • 契約形態

が分かれているため、休日出勤の扱いを正しく理解していないと、損をしたりトラブルに巻き込まれたりしやすいのも事実です。

ここでは、SESの仕組みを踏まえたうえで、

  • 休日出勤が発生しやすいケース
  • 発生しにくいケース
  • 法律・契約上の正しい考え方
  • エンジニア側が事前に確認すべき点

を整理して解説します。

目次

SESにおける休日出勤の基本的な考え方

SESは、SES企業とエンジニアが雇用契約を結び、SES企業がクライアントと業務契約を結ぶという形態です。

そのため、以下の点が重要になります。

  • エンジニアの雇用主はSES企業
  • 労働条件(休日・残業・休日出勤の扱い)はSES企業の就業規則・労働契約が基準
  • クライアント先で働いていても、労務管理の責任主体はSES企業側

この構造を前提に、休日出勤の有無や扱いを考える必要があります。

SESで休日出勤はあるのか?結論

SESでも、業務内容やプロジェクトの性質によっては休日出勤が発生することはあります。

ただし、以下のように幅があります。

  • ほぼ休日出勤が発生しない案件
  • 年に数回、作業都合で発生する案件
  • 特定の時期(リリース前など)だけ発生する案件
  • 慢性的に休日出勤が発生している問題のある案件

「SES=休日出勤が多い」と一括りにするのは正確ではありません。

休日出勤が発生しやすいSES案件の特徴

インフラ・運用保守系案件

  • サーバー・ネットワーク運用
  • 障害対応
  • 定期メンテナンス

これらは、平日の業務時間帯に作業すると影響が大きいため、土日や深夜に作業が設定されることがあるという特徴があります。

本番リリース・システム移行を伴う案件

  • 大規模システムのリリース
  • データ移行
  • 基幹システム切替

業務停止が許されないシステムでは、休日に作業を行うケースが一定数存在します。

金融・官公庁・社会インフラ系

  • 銀行・証券・保険
  • 官公庁システム
  • 交通・通信インフラ

社会的影響が大きいため、平日稼働を優先し、休日対応が組み込まれている案件もあります。

プロジェクトが逼迫している現場

  • 人員不足
  • スケジュール遅延
  • 要件変更が多い

こうした現場では、本来避けるべき休日出勤が発生しやすく、エンジニア側は注意が必要です。

休日出勤が少ないSES案件の傾向

一方で、以下のような案件では休日出勤はほとんどありません。

  • Webアプリ・Webサービス開発
  • 自社サービス系開発
  • 新規開発や設計・実装中心のフェーズ
  • 勤怠管理が厳格な大手企業案件

これらは、平日稼働が前提で、休日は休む文化が比較的根付いている傾向があります。

法律上の休日出勤の扱い

「休日出勤」と割増賃金の正しい理解

一口に休日出勤と言っても、法律上は以下を区別する必要があります。

  • 法定休日
  • 所定休日(会社が定めた休日)

法定休日に働いた場合

  • 割増賃金 35%以上 が必要

所定休日に働いた場合

  • その週の労働時間が法定労働時間(原則40時間)を超えるか
  • 深夜帯に該当するか

などによって、割増の扱いが変わります。

「休日に出た=必ず35%割増」ではありません。

36協定について

法定労働時間を超える時間外労働や、法定休日に労働させる場合には、36協定の締結が必要です。

36協定がないまま時間外・休日労働を行わせることは、法令上問題になります。

SES特有の注意点(指示・責任の所在)

客先常駐であるSESでは、実務上、クライアントから作業の要請が来ることがあります。

しかし重要なのは、

  • 労働時間・休日出勤の管理責任はSES企業側にある
  • 休日出勤を行う場合も、SES企業経由での指示・合意・勤怠処理が前提

という点です。

クライアントの要請があったとしても、

  • SES企業が把握していない
  • 勤怠申請が曖昧
  • 手当や代休の扱いが不明確

こうした状態は、トラブルの原因になります。

代休・振替休日の違いにも注意

  • 振替休日:あらかじめ休日と労働日を入れ替える
  • 代休:休日労働後に別日に休みを与える

この2つは同じではなく、割増賃金の要否が変わるケースもあります。

「代休があるから休日割増が不要」と単純には言えないため、扱いは必ず確認すべきポイントです。

SESエンジニアが事前に確認すべきポイント

トラブルを避けるため、以下は事前に確認しておくのが理想です。

  • 休日出勤の有無・頻度
  • 発生する場合の手当・代休・振替休日の扱い
  • 過去の実績(年に何回程度か)
  • 緊急対応の有無
  • 勤怠管理・申請の流れ

これらを曖昧にしたまま参画すると、後から不満が出やすくなります。

まとめ

  • SESでも休日出勤が発生することはある
  • 発生頻度は 案件・業界・フェーズ次第
  • 法定休日と所定休日は法律上の扱いが異なる
  • 割増賃金や36協定の有無は重要
  • 休日出勤はSES企業を通した指示・管理が原則
  • 事前確認が最大の自衛策

以上、SESは休日出勤するのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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